[岡山・JA岡山西移動編集局] 豪雨被災から1年5カ月 営農再開へ一歩 果樹産地の総社市

ブドウ農家の仮谷さん(左)は復旧工事を待ち、JA担当者と営農再開に向けて情報交換をする(岡山県総社市で)

 2018年7月の西日本豪雨でブドウ園などの農地や農業用施設に甚大な被害を受けた果樹産地・JA岡山西管内の岡山県総社市福谷地区。6日で1年5カ月となる中、営農再開の動きが始まった。県と市の連携で氾濫した高梁川の堤防を整備し、浸水被害を受けた約3ヘクタールの園地をかさ上げする。100年続く農業に向け、地域の話し合いが進み、近く工事が始まる。JAは営農や融資相談で復興を後押しする。異常気象のリスクが高まる中、災害に強い地域農業のモデルとして注目が集まる。(鈴木薫子)
 

次代に継に向け 堤防整備、園地かさ上げ



 同地区は県内有数のブドウの早期加温栽培産地。しかし、園地には、ビニールが剥がれ、骨組みがあらわのハウスや、川から流れてきた大きな岩が目立つ。堤防の決壊で農地の浸水や施設が倒壊。今も園地は豪雨被害発生時のままだ。

 県は同地区で約2キロにわたる高梁川の堤防整備に乗り出した。道路から1、2メートル上げる計画で下流側から用地取得を進めている。同地区の他、高梁川に隣接する4地区で計約5キロの堤防を整備。近く工事に着手し、22年度内の完了を目指す。

 園地整備は同市が担当する。堤防から下の園地を3、4メートルかさ上げし、堤防と同じ高さにする方針。整備範囲は上流約600メートルで園地は約3ヘクタール。河川などの残土で埋め立て、栽培用に上層60センチはきれいな土で埋め立てを計画する。復旧には、JA担当者も営農再開に向け密に情報交換をする。

 ブドウや桃の生産者22人でつくる福谷果樹組合は、被災した18年産売上高は前年産比2割減の6500万円。19年産は上向いたが、被災前水準には達していない。

 ブドウ「マスカット・オブ・アレキサンドリア」などを栽培する同組合の温室ブドウ部会の仮谷昌典部会長は、経営面積の半分の10アールでハウス3棟が倒壊。被害を免れたハウスとの距離は30メートル。半分の土地で収益を高めようと栽培に励む。54歳の仮谷部会長は「80代まで農業を続けたい。今が踏ん張り時。復旧に時間がかかるのは覚悟の上で、次世代のために災害に強い農業を復活させたい」と強調する。

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