牛肉輸出263億円に 11月時点で政府目標超え 施設整備が奏功

 日本から海外への牛肉の輸出額が11月までで263億円となり、政府目標を突破したことが分かった。和牛を中心とした高品質な日本産牛肉への注目度が高まる中、関係者らが連携した販促活動や、輸出向けの施設整備などが奏功した。2020年には東京五輪・パラリンピックも控え、海外へアピールするチャンスが広がる。産地からは期待の声が上がっている。
 
 財務省の貿易統計によると、2019年1~11月の牛肉の輸出額は、前年同期比22%増の263億円。政府が13年に掲げた品目別戦略の年間目標250億円を13億円上回った。数量は、同24%増の3842トン。アジアや欧米などを中心に輸出が伸び、全体の輸出額は過去最高となった。

 伸びが大きいのは、カンボジアで同58%増の76億円。関係者によると、牛肉はカンボジアから中国に流出しているとみられる。

 17年9月に輸出が再開された台湾は同33億円と、約2年で全体の1割を占める市場に成長した。同26億円の米国は、年明けに発効する日米貿易協定で低関税枠が拡大するなど、今後も伸びしろが見込まれる。

 輸出拡大の背景には、輸出可能国の増加や、関係者らの地道な販促活動の継続がある。輸出業者らでつくる日本畜産物輸出促進協議会では、海外のシェフらを対象とした和牛の調理実演やセミナーなどを各国で展開している。

 今年、欧米向けの輸出施設認定を受け、「神戸ビーフ」などの輸出に力を入れる兵庫県姫路市の食肉処理施設運営会社・和牛マスターの池田政隆代表は「国内価格は昨年に比べ落ち込んでいるが、海外への販路を広げることで、生産者の経営安定につなげたい」と意気込む。

 同施設からの輸出は、認定前に比べ4、5倍に増え、「国内のさまざまなブランド和牛への引き合いがきている」という。年間出荷頭数250頭のうち2割を輸出する同県宍粟市の生産者・谷口隆博さん(58)は「人口減少が進む中、国内の農業が生き残るためには輸出が欠かせない」と強調する。

 農水省は「施設認定など輸出できる拠点づくりと生産基盤強化を加速させ、さらに輸出を拡大していきたい」(食肉鶏卵課)と展望する。

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