報告義務の厳守を 「危機感持って」強調 豚コレラ対策で農相

 江藤拓農相は10日の閣議後会見で、沖縄県の豚コレラ(CSF)発生を受け、現場の養豚農家に飼養衛生管理基準を順守するよう改めて訴え、「危機感を持って対応していただくことが大切」と強調した。同県の発生事例では養豚農家の報告に遅れがあったと指摘。「周辺農家や地域に対する影響もある。しっかりと報告義務を果たしてほしい」と強く呼び掛けた。

 同県での発生は「遠隔地の想定される地域ではない所で出た」と指摘。拡大の食い止めに全力を尽くす考えを示した。

 家畜伝染病予防法(家伝法)では飼養豚に発熱などの症状が出た場合、都道府県の家畜保健衛生所へ速やかに報告するよう義務付けている。

 一方、沖縄県によると今回の52、53例目の農場では、昨年12月20日には死亡する豚が出始めた。だが農水省が報告を受けたのは1月6日だった。

 江藤農相は「(豚が)罹患(りかん)した農家は大変お気の毒」と気遣いつつ、異常が出てから即座に報告がなかったことに対しては「報告を怠っていたことは大変遺憾と(沖縄県の玉城デニー)知事に申し上げた」と述べた。

 農水省はウイルスの早期封じ込めに向けて、同県に27人の獣医師を派遣。感染豚の殺処分や周辺農家にウイルスが広がっていないかどうかの確認などを進めている。同県の増員要請を受け55人体制に増やす。

 江藤農相は、同県の実態として「養豚農家は非常に集約的に固まっている」と指摘。感染が広がらないよう、スピード感を持って対応していくとした。

 同省は同日、CSF・ASF防疫対策本部を開催。11日から3連休に入ることを踏まえ、さらに感染が拡大すれば、幹部らを非常招集して対応することを確認した。
 

沖縄で3例目確認 沖縄市の養豚場


 沖縄県は10日、同県沖縄市の養豚農場で豚コレラの疑似患畜を確認したと発表した。同県での発生は3例目。8日に感染を確認したうるま市の農場から3キロ圏内の農場で、飼養頭数は2809頭。同県畜産課は「当面は防疫措置を優先する。ワクチンについては利点・欠点を示して農家と話し合って決めたい」と強調した。

 うるま市の発生農場から3キロ圏内の移動制限区域を対象にした検査で見つかった。臓器を材料にした遺伝子検査で調べた3頭全てに陽性反応が出た。発生農場の3キロ圏内にある他の11農場は簡易検査で陰性が出ている。同県は今後、10キロ圏内にある51農場に調査対象を広げる考えだ。防疫対策会議で玉城デニー知事は「豚とイノシシの病気で人に感染することはない」と繰り返し、県民に冷静な対応を求めた。

 沖縄市の農場では10日から殺処分に着手し、12日に作業を終える予定。同県の固有種「沖縄アグー豚」は飼養していなかった。

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