捕虜収容所から脱出すために100メートルもの抜け穴をこつこつと掘り進む

 捕虜収容所から脱出すために100メートルもの抜け穴をこつこつと掘り進む。そのスリリングな臨場感が受けた▼1960年代の米国映画『大脱走』である。第2次世界大戦でドイツ軍の捕虜となったオーストラリア軍パイロットの著作物を脚色した。逃亡が極めて難しい収容所から穴を掘り進んで外へ逃げ出す奇想天外な脱走劇である▼機材も自前でそろえ、掘り取った土はグラウンドにまき散らす。ナチと戦う彼らの連携が感動を呼ぶ。抜け穴の長さが足らず出口が森の手前だったり、追っ手が迫るはらはらドキドキの展開に映画は大ヒットした▼こちらの抜け穴は意外なところにあった。関西空港のプライベートジェット。金融商品取引法違反などで起訴され保釈中の日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告は、大きな楽器箱に身を潜めて国外に逃亡した。助っ人が検査体制の「穴」を調べた上での“脱走”であろう。“中東のパリ”ベイルートの会見では、「不正義と政治的な迫害から逃れた」。言いたい放題である。罪に問われた国際ビジネスマンの逃亡はままあるらしいが、15億円もの保釈金をふいにできる金持ちならではの所業▼いとも簡単にすり抜けられた日本の保安体制もお粗末だが、盗っ人たけだけしいにも等しい国際人には、あきれる。
 

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