豚コレラ取材過熱 現場接近に地元困惑 感染拡大危惧の声

 豚コレラ(CSF)が発生している沖縄県で、マスコミによる取材が過熱している。豚コレラのまん延を防ぐため農水省や県は現地取材の自粛を訴えるが、発生農場の数百メートルまで近づいたり、畜産農家を直接取材したりする記者もいるという。JAおきなわは「感染拡大の要因になりかねない」と危惧する。

 豚コレラは強い感染力を持つ伝染病。服に付いたウイルスや靴裏に付いた土を経由して感染する恐れもある。畜産関係者が豚舎に近づく際は、靴や衣類の消毒を徹底している。

 豚コレラや鳥インフルエンザなどの伝染病が発生した場合、発生現場に近づき、取材することは“ご法度”。感染拡大を招きかねないからだ。だが、同県では農場に報道各社が集まっている状態だ。県は記者会見で、「農場に接近しないと撮れない写真が出ていた。近づくのは絶対にやめてほしい」と訴えたが、沈静化していない。

 JAでは「ある新聞社から『防護服を売ってくれ』という電話があった」と明かす。担当者は断ったが、相手からは、取材で農場に近づくために必要だと説明されたという。

 養豚農家からは危機感を訴える声が出ている。同県養豚振興協議会の会議に出席した農家からは「マスコミの接触が感染拡大を招きそうで怖い」という声が相次いだ。

 県はこれまで、農家以外の住民にも注意喚起をするため、発生農場の住所を公開していた。だが、取材や興味本位で侵入する人が後を絶たないことから、明示は逆効果だと判断。10日に感染を確認した沖縄市の農場から非公開にした。ただ、その対応に「農場を教えてもらえないなら、(特定のため)複数の農家に直接取材する」と詰め寄った記者もいた。同県畜産課は「養豚農家のために、近づくのは絶対にやめてほしい」と訴えた。
 

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