教育者の福沢諭吉は独立自尊の気概を尊び、安易な生き方をするよりも大きな目標を持った人生を勧めた

 教育者の福沢諭吉は独立自尊の気概を尊び、安易な生き方をするよりも大きな目標を持った人生を勧めた▼著書『学問のすすめ』にも、「学問に入らば大いに学問すべし。農たらば大農となれ、商たらば大商となれ」の一節がある。どのような道に進むにしろ、やるからには大きな志を持って進めということだろう。福沢が生きた幕末から明治にかけて駆け抜けた志士は、困難な中から維新の大業を成し遂げた▼彼らに大きな影響を与えた中国陽明学の王陽明は、知って行わないのは知らないことと同じという「知行合一」を説き、知識偏重の頭でっかちをいさめた。そして、「人生の大病は傲(ごう)の一字に尽きる」と喝破した。傲は「おごる」ことと『字統』(白川静著)にある。謙虚に生きよという教えであろう▼きょうは「成人の日」。1999年に生を受けた新成人は122万人。大人の仲間入りを歓迎する。高揚感や戸惑い、いろいろな思いに駆られているに違いない。戦後の価値観が崩れ、地球規模の課題が押し寄せる中での“元服”である。まだ目標が見えなくとも焦る必要はない。浮かれた時流に流されず、じっくり自己を見つめることが、大志につながるはず▼疲れた大地を掘り返して新しい種をまく。それができるのは君たちなのだから。
 

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