有機農業推進を強化 指導体制、環境整備に助成 農水省

 農水省は、有機農産物の安定供給を目指し、生産・流通段階の体制を拡充させる事業を始める。生産者だけでなく、指導員の育成や有機農業向けの農地確保などを後押しし、担い手を増やしていく方針。農産物の付加価値を高めるなどの有機農業の利点を生かし、所得増大のモデルを確立したい考えだ。さらに小売・飲食店などによる有機農産物の情報発信を促し、需要確保を後押しする。

 同省は、2020年度の関連予算に、19年度当初予算比56%増の1億5300万円を計上。新規事業を設け、対策を充実させる。

 同省は「有機農産物を定着させるには、生産だけでなく流通段階での働き掛けも必要。各段階に合わせた支援をしていきたい」(農業環境対策課)と構想する。

 生産段階の対策として、人材育成の強化に乗り出す。農家が有機JAS認証を取得する際、相談できる組織がないケースが多く、書類の不備で手続きに時間がかかるなど課題がある。

 こうした実態を受け、同省は指導体制を整備する。具体的には、都道府県に対し、農家に指導する普及員やJA営農指導員向けの有機JAS制度などの研修会開催などを支援する。

 新たに有機農業を始める農家向けに、技術を習得するのに必要な研修や有機JAS認証検査を初めて受検する場合の費用を助成する。

 有機農業がやりやすい営農環境のモデル整備も進める。市町村に対し、複数の耕作放棄地をまとめて有機JAS農場に転換する際に必要な話し合いにかかる費用や、堆肥施用などに助成する。

 有機農産物の産地を育成するため、農家らによる「オーガニックビジネス実践拠点」を構築する。生産・出荷のための機械導入の支援を拡充した。

 流通段階の対策では、消費者の有機農産物への理解を促すため、小売店、飲食店からの発信を促す。「国産有機農産物サポーターズ(仮称)」と位置付ける国産有機農産物を扱う業者らの連携を促し、消費者向けワークショップ開催などを支援する。

 加工需要の拡大へ、民間団体などが加工業者向けに有機加工食品のJAS規格を説明する講習会なども支援する。
 

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