中山間直払い第5期対策 返還措置の面積緩和 耕作放棄発生分だけ

 農水省は、2020年度から第5期対策が始まる中山間地域等直接支払制度の運用方法を決めた。交付金の返還ルールは耕作放棄地が発生した場合、全協定面積ではなく該当面積分を返還するよう緩和。満額単価で交付を受けるための要件を見直し、人材確保などの具体策を示す「集落戦略」の策定を求める。20年度の予算総額は前年度と同程度の261億円。取り組み面積の維持、拡大につなげることができるかが課題となる。

 同制度は、5年ごとに協定を結んで営農を続ける集落を支えるため、交付金を支払う。現行の交付金返還ルールは耕作放棄地が出た場合、原則、協定を結んだ時点までさかのぼり、受け取った交付金の全額を返還する。

 このため交付金返還を懸念し、新たに協定を結ばず活動をやめるケースも少なくない。第4期対策が始まった15年度の取り組み面積は65・4万ヘクタール。前年度から3万ヘクタール以上減り、減り幅は制度始まって以来、最大となった。

 実態を受け、同省は20年度からルールを変更。耕作放棄地の面積分に限り、協定締結時までさかのぼった金額を返還する。当初は単年度分とする案もあったが財務当局との折衝の結果、見送られた。同省は「ルールの緩和で取り組み面積の維持につなげたい」と話す。

 交付金単価を満額支給する仕組みも変える。これまでは農機の共同利用などに取り組んだ場合、満額を支給していた。今後は地域の話し合いで「集落戦略」を策定、後継者育成や外部人材確保などの具体策を示すことを要件に満額交付する。

 交付金返還の緩和に加え、加算措置を拡充した。新規就農者ら多様な人材の確保や集落内外の組織と連携する場合の「集落機能強化加算」、ドローン(小型無人飛行機)を活用した農薬散布などの省力化技術の導入や農地を集積・集約した場合などの「生産性向上加算」を新設。それぞれ10アール3000円を支払う。

 「集落協定広域化加算」は要件を緩和。複数集落で集落協定を締結すれば同3000円を支払う。棚田地域振興法の成立を受け、指定棚田地域を対象に追加。対象地域には同1万円を支払う。
 

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