農地維持へ「準農家」 所有者と橋渡し 未経験で借入可 神奈川県愛川町

 神奈川県愛川町は、遊休農地対策として「あいかわ準農家制度」を始めた。農家や新規就農者に限られていた農地の借り入れを、一定の要件を満たし準農家として認定されれば経験がなくても無料で借りることができる。これから農業を始めたい人と、農地所有者の橋渡しとなる全国でも珍しい取り組みとして、行政やJAなどから注目を集めている。

 同制度は、農家の高齢化や後継者不足によって、増え続ける遊休農地を解消するために、町が2019年7月に始めた。これまでは農地を借りられる対象を、原則として農家や一定の農業研修を受けた新規就農者に限っていた。このため、新たに農業をしたい人には参入のハードルが高かった。

 農地法では農地取得の下限面積を原則、都府県で50アールと定めているが、農業委員会が下限面積を緩和できる特例がある。今回の制度ではこの特例を活用し、家庭菜園など、農業を趣味でやりたいと思っている人が研修や経験がなくても農地を借りることができるようにした。

 同じような制度は、大阪府の「準農家制度」や同県南足柄市の「市民農業者制度」などがあるが、いずれも農業経験が必要だ。

 愛川町の準農家の要件は、①自給自足や生きがいのために小規模の耕作であること②借り受けた農地を適切に管理すること③地域や他の農家と適切な関係を持ち耕作ができること──など。町が審査をし、要件を満たした人を認定する。町は、農家と調整した上で農地を確保して、認定者にあっせんしていく。貸し出す農地は最大1000平方メートルで、申請者の耕作経験で変わる。農業経験がない人でも60平方メートルまで借りることができる。利用期限は3年で、継続もできる。

 同町農業委員会によると、町内外で準農家として認定を受けた人は3人。そのうち1人が実際に耕作を始めている。同農委は「農地を借りたいという要望があった一方、遊休農地を生かしたいとの地権者の声もあり、制度を作った」と話す。 

 農家の高齢化や後継者不足で、遊休農地は全国的な課題となっている。同町農業委員会の18年度速報値によると、同町の遊休農地は32・7ヘクタール。町の農地全体の8・3%を占める。
 

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