日欧EPA発効1年 欧州産の攻勢強まる チーズ、豚肉輸入増

 日欧経済連携協定(EPA)の発効から1日で1年となった。関税が引き下げられたチーズや豚肉、ワインは、欧州産の輸入が増加。スーパーなど国内の小売り業者は、協定発効に合わせて販促を強化した。ブランド力と生産力を背景に、欧州産の輸入攻勢は今後強まる見通しで、国内の生産基盤強化が急務となる。

 協定では、カマンベールなどソフト系チーズで低関税輸入枠を設け、チェダーなどハード系も最終的に関税を撤廃。豚肉も差額関税制度は維持したが、従量税を最終的に50円に下げるなど重要品目でも大幅な市場開放に踏み切った。

 財務省の貿易統計を基に、発効後の2019年2月から直近の12月までの主要な農産物の輸入量を前年同期と比べた。

 ナチュラルチーズは9万4746トンと10%増えた。主な要因は干ばつなどの影響で価格が上昇したオーストラリア産から欧州産に切り替える動きがあったためだが、「協定発効を機に、 消費者への販促を強めた商社や小売りが、欧州産の値頃なチーズを多く仕入れた」(流通関係者)という。

 EU最大の豚肉生産国スペインからは冷凍豚肉が12万トンと14%増えた。中国でのアフリカ豚熱の影響で先高感が強まり、業者が調達を増やしたためだが、大手輸入業者は「関税が削減されたことも要因の一つ」と指摘する。日本でも知名度の高いスペイン産「イベリコ豚」などの銘柄は、外食だけでなくスーパーなどでも浸透しつつある。デンマーク産も、冷凍品が前年比8%増の11万トン「関税削減のメリットはまだ小さいが、今後関税が下がれば、欧州産が増える可能性は大きい」(同)と見通す。

 関税が撤廃されたボトルワインも10万4519キロリットルで、20%増えた。特に、比較的値頃なスペイン産やイタリア産で伸びが大きかった。

 輸出は、牛肉などほとんどの品目で発効と同時に関税が撤廃された。牛肉は、35%増の20億円と大きく伸びた。米は関税削減の対象外だが、36%増の3億円となった。

 しかし、輸出は輸入の主力品目に比べると、どれも規模が小さい。
 

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