和牛精液不正利用 罰金最大で3億円 知財保護を重視 農水省

 農水省は5日、和牛の精液・受精卵の悪質な不正利用に対し、罰金を個人で1000万円以下、法人で3億円以下とする方針を示した。今国会に提出する新法に盛り込む。種苗の育成者権や著作権などと同等の罰則を科し、和牛遺伝資源を知的財産として保護する。詐欺、窃盗で取得した場合や、契約を結んで取得したものを契約の範囲を超えて利用、輸出する場合などを差し止め請求や損害賠償の対象とし、特に悪質な場合、罰金を科す。
 

産子も取り締まり


 自民党畜産・酪農対策委員会(赤澤亮正委員長)に示した。

 自ら不正取得したものでなくても、不正な経緯で譲渡されたものと知りながら利用、譲渡した場合も対象となる。経緯を知らずに利用した場合は、対象外にする方針だ。

 不正な取得で利益を得たり、相手に損害を与えたりする目的がある場合は刑事罰の対象とする。個人は1000万円以下、法人は3億円以下の罰金か、10年以下の懲役を科す。

 同法案は、精液・受精卵を知的財産として守るため、家畜改良の関係者や弁護士らが議論してきた。そうした経緯を踏まえ、種苗法の育成者権侵害や、著作権法の著作権侵害など、他の知的財産侵害への罰則と同水準にした。

 損害賠償額は、不正流出した精液・受精卵だけでなく、それで生まれる家畜や遺伝資源の価値、不正利用による産出数などを踏まえて推定する方針だ。

 不正利用を経て生まれた子や孫の家畜や精液などを利用した場合も、取り締まりの対象にする方針だ。正当な手続きで得た遺伝資源でも、生産過程をさかのぼると不正が絡んでいる場合も想定される。適切な流通や改良に悪影響を及ぼさないような範囲での取り締まりになるかが今後の焦点になる。
 

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