[未来人材] 32歳。茶の消費拡大めざし、紅茶の生産に尽力 多様な商品が高評価 鈴木克也さん 愛知県新城市

茶園でイチゴ紅茶と紅茶ジャムを紹介する鈴木さん(愛知県新城市で)

 愛知県新城市の鈴木克也さん(32)は茶の消費拡大につなげようと、紅茶の生産に力を入れる。作り始めるうちに紅茶に引かれて研究を重ね、全国大会で準グランプリを受賞するまでに成長した。地元農家や小売店も巻き込み、イチゴ紅茶や紅茶ジャムなどの加工品も開発。「新城を代表する農産物にしたい」と奮闘する。

 鈴木製茶の3代目。高校卒業後に、茶園を継ぐため農研機構野菜茶業研究所で2年間、研修生として茶の栽培と製造技術を学んだ。だが「技術や知識が足りない状態で実家に戻っても成長しない」と考え、さらに3年間、茶問屋で修業を積んだ。煎茶と抹茶のブレンドや流通を担当し、目利きや相場勘を養った。

 2012年に就農。茶の消費が低迷する中、主力のてん茶や煎茶に代わる製品を思案していた時、販売先のカフェから紅茶を提案された。「何ごともまずはやってみよう」と作り始めたところ、のめり込んだ。

 これまで経験を積んできた茶種と異なり「何がおいしい紅茶か分からなかった」。作りたい紅茶が見つからず苦戦した。紅茶の味を覚えようと、国内・海外の紅茶100種類以上を飲み比べ、追求していった。

 顧客や周囲の評価を聞きつつ研究を重ね、さっぱり・すっきりとした味と、一方で渋みが強い味という、大きく二つのニーズがあることに気付いた。この成果をまとめ15年の全国青年農業者会議で発表し、農水省経営局長賞を受賞した。

 成果は、鈴木さんが作る紅茶の評価にも表れた。16年、全国から出品がある国産紅茶グランプリで準グランプリを受賞した。有機JAS取得の「べにふうき」の紅茶が、高い評価を受けた。

 正統派を追求する一方で、スパイスを混ぜるなど香りや味を少しずつ変え、25種類の紅茶を販売したこともある。地元農家が作ったイチゴを取り入れるなど、地元の素材同士を生かした製品も発売し、好調という。

 今後は、煎茶用の「やぶきた」や、夏摘みで渋みが強い「べにふうき」での紅茶作りにも挑戦する。「香りや味わいがこれまでと違うものを作り、進化し続けたい」。探究心は尽きない。(木村薫)
 

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