新型ウイルスまん延の中国 各地で移動規制 農産物流通も混乱

北京市向けの野菜を運ぶ趣旨の横断幕を掲げたトラック(首農食中心超市提供)

 新型コロナウイルスのまん延で、中国各地では農産物の流通に特別な対応を迫られている。産地が感染拡大を防ぐため、人や車両の進入を規制しているためだ。北京市で農産物の流通を手掛ける中和農信と食品スーパーの首農食中心超市の取り組みを追った。
 

野菜に「通行証」


 中和農信は、北京市から東に120キロ離れた河北省玉田県でハクサイやダイコンなどを調達する。通常は担当者やトラックが畑に直行し、野菜を詰め込む。しかし現在は違う。ウイルスのまん延を防ぐため、産地ではゲートを設け、24時間体制で外部から進入を規制している。同社の集荷に対しても例外ではない。

 消費地の北京市も人や車両の移動を規制。そこで同社は二つの対応で農産物流通を進める。

 管轄の行政機関が、市民向けの野菜を供給する車両であることを証明する通行証を発行。トラックには北京市民向けの野菜を調達することを知らせる横断幕を掲げる。

 産地には、同社の集荷予定を事前に電話で伝える。農家は自ら野菜を村のゲート外の指定場所に運んで下ろす。そこに集荷トラックを着け、農産物を詰め込み農家と集荷者との接触を避ける。
 

値上げで10倍に


 人や車両の移動制限に伴い、農産物の価格は上昇している。農水省に当たる中国農業農村部によると、ハクサイの全国平均価格は、新型コロナウイルスの感染が確定した1月第2週(6~10日)の1キロ21円から2月第1週(3~7日)には同37円になり、76%高となった。

 一部スーパーでは、農産物の品薄を商機と捉え、異常な高値で販売し話題を呼んだ。特に目立ったのは内陸部の江西省スーパーの事例。通常同25円程度のハクサイを、1月第5週(27日~31日)に10倍近い同223円で販売し、市民の怒りを買った。政府は800万円の罰金を命じたという。

 中和農信が調達した農産物は首農スーパーに並ぶ。ハクサイの場合、前年と同額の同58円。首農スーパーの関係者は「食料有事の時こそ、流通や小売業者の良心が問われる」と話す。
 

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