農機死亡事故 半減へ 農水省22年目標 協議会設置を促進

 農水省は10日、農業機械作業の事故による2022年の死亡者数を17年と比べて半減させる目標を発表した。農作業死亡事故原因の7割を占める農機作業に重点を置き、安全フレームの装備やシートベルト着用の徹底を呼び掛ける。市町村など地域ごとに情報共有に向けた協議会の設置を促し、注意喚起を強化する。

 同日、同省で開いた20年春の農作業安全確認運動推進会議で明らかにした。19年度に政策目標として、23年に農作業事故全体の死亡者数を18年比で15%減らすとしたのを大幅に上回る。

 農作業事故による死亡者は近年、300人以上で推移。17年は304人で、うち211人が農機作業によるものだった。同省は22年に105人と半減を目指す。就業人口当たりの事故死亡者数が全産業で微減傾向にある一方、農業は増えていることを重く受け止め、省を挙げて対策を打つ。

 20年の推進テーマは、「見直そう!農業機械作業の安全対策」で、具体的に三つの取り組みを掲げた。第1に乗用型農機の安全フレームの追加装備やシートベルト、ヘルメットの着用徹底を呼び掛ける。年間約90件ある乗用型農機の転落・転倒事故の大幅減を目指す。

 第2に、乗用型トラクターの公道走行の安全対策として灯火器設置を周知する。幅の広い作業機を装着して公道走行するのに必須となる大型特殊免許の取得機会も補助事業で拡大する。第3に、農機の日常的な点検と整備を呼び掛ける。

 実効性を高めるため同省は、年1回だった都道府県や農機メーカーからの事故情報収集の頻度を月1回にする。前月分の情報を翌月15日に集めることを想定。各地域で情報共有するため、都道府県単位で協議会設置を促し、設置状況を7月をめどに公表する。市町村単位など現場に近い地域ごとの協議会の設置状況は21年3月に公表する。

 同日の会議では、林業、水産業、食品産業の事故や安全対策も報告。省全体で農と食に関わる事故の防止に取り組むことを確認した。京都府農業機械士協議会の小林義博会長は、JA全農京都の農機展示会の来場者アンケートで、ヒヤリ・ハット体験の項目を加えて調査し、結果を翌年の来場者に伝えて情報共有する手法を紹介。農機メーカー、クボタの安全対策の紹介もあった。

 春は3~5月、秋は9~10月が農作業安全確認運動の期間だ。運動に20年は地方公共団体やJA、農機メーカーら772団体が参画する。

おすすめ記事

農政の新着記事

検索

e農サーチ e農サーチとは