GGAPしっかり生かす 五輪イベント参加 地域と連携 農家向け手引作成 北海道士幌高

「バインミー」の試食会で来場者にメニューや取り組み内容を説明する生徒(北海道帯広市で)

河田代表(左)と農場での管理点を確認する生徒(北海道音更町で=士幌高校提供)

 北海道の士幌高校は、グローバルGAP(農業生産工程管理)の認証を栽培だけでなく販売、経営などに生かし、新たな学びにつなげている。東京五輪・パラリンピックの関連イベントに食材を提供して、野菜の販路開拓につなげた他、海外アスリート向けのメニューも開発。生産者と連携してGAPについての相談も受け、地域での普及に力を入れる。
 

売り先確保や制度普及に挑戦


 同校は2017、18年にニンニク、ニンジン、小麦、ジャガイモの栽培でグローバルGAPを取得。19年には東京都内で開かれた「食王国・北海道フェア」や、東京五輪・パラリンピックの参加国との交流を進める自治体が集う「2020ホストタウンショールーム」に参加した。

 イベントでは同校の活動報告を行った他、レストランのシェフがグローバルGAPの食材で調理した「カラフルニンジンのラペ」「ピンチョス」などを披露。同校の活動や食材が評価され、ジャガイモなどを都内のレストランに販売する契約に結び付いた。

 同校は釧路市や釧路短期大学などと連携し、市内に合宿で訪れるベトナムのパラリンピック選手向けのメニュー作りを進める。嗜好(しこう)とスポーツ栄養学に基づき、「バインミー」と呼ばれるベトナム風サンドイッチ、「ピンチョス」「どら焼き」を考案した。

 政府のオリンピック推進本部が高校生らを対象にGAP食材を使った料理などを競う「おもてなしコンテスト」にもノミネート。40チームがエントリーする中、最終の9チームに選ばれ、3月に都内で開かれる表彰式に参加する。「バインミー」は帯広市のパン店と一般販売に向けて試食会も行った。

 同大学の山崎美枝教授は「試作品のクオリティーはとても高く、高校生の取り組みとして素晴らしい。これからもさまざまなことを吸収してほしい」とエールを送る。

 同高校フードシステム科3年の小川菜月さん(18)は、「消費者の『おいしい』という言葉に喜びを感じた。大学でもGAPの経済効果を研究したい」と意気込む。

 地域にGAPを広めるためのマニュアル作りにも取り組む。音更町の畑作農家「とかち河田ファーム」と連携。農家からの相談に対応できる実践力を養っている。

 同ファームの河田利則代表は「生徒が販路拡大や商品開発に挑戦しているのは心強い」と期待する。フードシステム科3年の後藤琉愛さん(18)は、4月から地元のJA士幌町に勤める。地域での普及に向け「活動を通じグローバルGAPは生産者、消費者ともに意味のあることだと知った。学んだことを少しでも生かせるように頑張りたい」と話す。

 指導する大和田愛教諭は「活動で得た、生産者、企業、行政などとのつながりは大きな財産。グローバルGAPから新たな農業経営が広がることが分かったのが大きな進展」と強調する。

 同校は有機JAS、アニマルウェルフェア(快適性に配慮した家畜の飼養管理)と北海道HACCP(危害分析重要管理点)の認証も取得し、教育に生かしている。近江勉校長は「認証を通して北海道・十勝の農業と食を支える人材育成に取り組みたい」と話す。

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