[あんぐる] 美の二毛作 冬の田んぼアート(青森県田舎館村)

雪が積もった水田に足跡で描く「冬の田んぼアート」。期間中は何度も手直しして絵柄を保つ(青森県田舎館村で)

 米生産が盛んな青森県田舎館村の水田に毎冬、巨大な幾何学模様が現れる。地元住民らが雪を踏み固めて描く、「冬の田んぼアート」だ。暖冬による少雪で制作が危ぶまれたが、今年も幻想的な模様が浮かび上がり、観光客を楽しませた。

 冬場にも観光客に農村を訪れてもらおうと、同村が催している。今年で5回目で、2月7~9日に開いた。作るのは、地元住民らでつくる有志団体「イッツオーケー」のメンバーら12人だ。

 今回のテーマは「輝く冬空の銀河」。約1ヘクタールの水田をキャンバスに、流れ落ちる彗星(すいせい)や輝く星などを表現した。雪上を歩くための履物「スノーシュー」で、雪を踏み固めて描いた。今年は7日朝から、方位磁石やメジャーで角度や距離を測りながら、約6時間かけて完成させた。
 
メジャーで距離を測りながら作品を仕上げる「イッツオーケー」のメンバー

  「雪が降ったぞー」

 7日の開会式で同村の鈴木孝雄村長が喜びの声を上げた。暖冬の影響で今年は開催3日前まで積雪がなく、制作が危ぶまれていた。待ち望んでいた“恵みの雪”で、開催にこぎ着けた。


 同県弘前市から見物に訪れた主婦、福島由美さん(53)は「今年は雪が少なくて見られるか不安だったが、無事に完成してうれしい。幻想的ですてき」と楽しんでいた。

 同村は、古代米などの稲を使い、水田に絵柄を描く「田んぼアート」の発祥の地として知られる。村には、2100年ほど前の弥生時代の水田跡があり、稲作と縁が深い。こうした土地柄を生かして観光客誘致につなげようと、1993年から田んぼアートを始めた。

 「冬の田んぼアート」は2016年、冬場にも人を呼び込もうと始めた。作品を描くのは、夏も冬も同じ水田だ。イベント期間中は、雪が降るたびに歩いて手直しをする。同団体代表で、青森県職員の田澤謙吾さん(51)は「1年に2度楽しめる、まさに田んぼアートの“二毛作”。技術を高め、見に来た人を驚かせたい」と意気込む。(富永健太郎)

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