中国 新型コロナ移動制限余波 青果物産地に大量在庫発生 円滑集荷へ奨励金

 新型コロナウイルスによる移動制限で、中国の秋冬青果物の産地では、出荷が滞って大量の在庫が発生している。各産地は仕入れ業者に奨励金を出し、在庫削減に乗り出した。農水省に当たる農業農村部の会議で明らかになった。発砲スチロール箱など流通資材の不足も深刻で、正常化には時間がかかりそうだ。

 同国南部の広西壮族自治区は、秋冬青果物の最大の産地。2019年の栽培面積は96万ヘクタール、野菜生産量は2201万トン、果実2056万トンを見込む。これらは通常、中国各地に運ばれる。しかし新型コロナウイルスの影響で出荷できず、多くの在庫を抱えている。

 例えばかんきつ。出荷本番は1~4月で、出荷数量は281万トンを見込む。だが、新型コロナウイルスの影響で17日現在、270万トンが販売難に直面している。価格も前年同期比で24%安。そのため同自治区南寧市武鳴区などは、仕入れ業者の来訪を促すため、支援策を打ち出した。

 同区は、外部の卸売業者が2月12日~3月31日に地域のかんきつを購入する場合、指定ホテルの滞在費用の全額を負担。販売量1000トン以上の卸売業者には1トン当たり20元(1元約16円)の奨励金を支給する。

 秋冬野菜の主力産地、南部の海南省も在庫削減策を打ち出した。同省は島国で、春節期間(1月23日~2月3日)中の島からの出荷量は、前年同期比4割減の6万9000トン。価格も1キロ当たり同18%減の3・34元に下落した。特にインゲン、ニガウリ、レモンなどの影響が大きい。

 そこで同省は、2月6日~2月29日、外部の卸売業者に対し、支援金を提供する。同省の農産物を仕入れて1トンの農産物を1キロ運んだ場合、0・2元の運賃を支給。1回のみ、奨励金20万~50万元も支払う。

 新型ウイルスの震源地、湖北省武漢市には、青果物が届いていない。武漢白沙洲大市場の取扱量は19年、229万トンに上った。しかし新型コロナウイルスの影響で、1月25日~2月13日の野菜取扱量は、前年同期の4割に当たる2万6000トンしか取引がなかった。

 背景には、湖北省とりわけ武漢ナンバーの車は他省に移動しにくく、逆に他省の車は、湖北省とりわけ武漢市に入りたがらないことがある。各地域で厳しい移動規制がある上、新型コロナウイルスの感染が恐れられているためだ。

 農産物流通に必要な発砲スチロール箱や氷の不足も深刻で、仕入れが始まっても、すぐに正常に稼働するのは難しいのが実態だ。農業関連資材の生産能力も低下し、関係者は「流通混乱はしばらく続くだろう」とみる。
 

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