電車、町中、会社や学校内

 電車、町中、会社や学校内。どこもマスク姿であふれている。新型肺炎の市中感染が現実となり自衛に走る。そのマスク、依然品薄で盗難事件まで起きた▼手指の消毒液も同様。先日連れ合いと交わした会話。「消毒液買おうよ」「ショートケーキなんて食べないわよ」。いや消毒液なんだけど。発音は似ているが、ケーキでは予防にならず脂肪になる。花粉症の時季とも重なり、不便なことこの上ない▼これほどの災禍になるとは。初動の封じ込めの大切さを思い知る。中国3000年の歴史には、くむべき知恵が多いのに。中国文学者・守屋洋さんの著書で、次の至言を知る。「患いはゆるがせにする所より生じ、禍いは細微より起こる」。出典は『説苑(ぜいえん)』▼守屋さんの解説によれば「仕事の手を抜いたり、ちょっとしたことが原因で取り返しのつかぬ事態を招く」こと。最初の小さな異変を「細微」と高をくくれば大参事になりかねない。中国発の新型肺炎のまん延は油断と初手の遅れだろう。今や感染列島日本へ向ける世界のまなざしも厳しくなる一方である▼わが町内会の防災訓練では、初期消火に失敗したら大声で近所に知らせ、後は自分の命を守れと教わった。むろん予防に勝る対策なし。災いは初手、細部に宿る。会社でも国家でも。
 

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