食肉相場が最安水準 増税、暖冬、新型肺炎…三重苦 販売低迷長期化も

 食肉相場が牛、豚ともに過去5年の最安水準で低迷している。暖冬による鍋物を中心とした販売不振に加え、増税や新型コロナウイルスの影響による消費の冷え込みが重なった。影響は長期化する恐れもあり、「インバウンド(訪日外国人)の減少や輸入在庫などマイナス要素が多く、今後も上げる見込みは薄い」(市場関係者)との見方が広がっている。

 東京食肉市場の和牛枝肉の2月の加重平均価格(A4、27日まで)は1キロ当たり2136円で、前年比15%安。大阪市食肉市場も同10%安の2224円。ともに2016年からの過去5年で最も安い水準だ。市場関係者は「(新型コロナの影響による)先行き不安から仕入れを控える動きがあり、先週大きく下げた。5等級は堅調だが、3、4等級中心に下げ幅が大きい」と話す。

 和牛は最需要期に当たる昨年12月の販売が振るわず、暖冬による苦戦が続いたまま2月に入り、新型コロナの影響に見舞われた。外出を控える動きが広がり、特に外食向けの苦戦が目立つ。「増税で家庭消費が落ち込む中、和牛の消費をけん引してきた外食やインバウンドの消費が減る影響は大きい」(大手食肉業者)

 東日本の和牛肥育農家は「子牛が80万円台のときに導入しており、今の枝肉相場では餌代も残らない」と訴える。

 豚の枝肉相場も低迷している。東京食肉市場の2月の加重平均価格(上もの、27日まで)は1キロ当たり436円で、前年比11%安。豚の取引量全国トップの群馬県食肉卸売市場も、同9%安の452円となっている。牛肉と同様に過去5年の最安水準だ。

 豚肉は、消費の落ち込みに加え、輸入冷凍品を中心とした在庫の潤沢さが影響している。農畜産業振興機構によると、直近でデータがある昨年12月時点の豚肉の推定期末在庫は国産、輸入を合わせて20万2275トン。前年比26%増と近年にない多さで、9割近くを輸入の冷凍品が占める。年末年始で消化された部分もあるが、現在も在庫は多い状況とみられる。

 「仕向け先の外食での消費が一層冷え込めば、在庫の消化が先送りされ、国産相場をさらに押し下げかねない」(食肉業者)との見方が出ている。
 

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