生産額最大470億円減 TPP・日米で独自試算 JA長野県グループ

 JA長野県グループは28日、日米貿易協定と環太平洋連携協定(TPP11)の影響で、県内農林業の生産額が最大470億円減少するとの試算を発表した。国内対策の効果を見込まないなど、国よりも厳しい条件で行った独自試算。畜産物や果実、野菜、米、きのこ類など幅広い品目で打撃を受けることが浮かび上がった。

 国の試算は、国内対策の効果によって生産量への影響はないというのが前提。対象も関税率が10%以上、国内生産額が10億円以上の品目に絞っていた。

 今回の長野の独自試算は、関税の撤廃・削減による価格下落で生産量が減少することを見込んで算出。県内生産額の上位約50品目を対象にした。東京大学大学院農学生命科学研究科の鈴木宣弘教授に依頼して行った。

 この試算によると、県内農林業の生産減少額は454億~470億円。国の方法に基づいて県が試算した減少額(25億円)を大きく上回る結果となった。

 470億円減少するケースは、TPP11発効後の2019年にリンゴとブドウの輸入量が大きく増加したことも反映させた。品目別生産額では豚肉が49%減と最大の落ち込み。肉用牛やブロイラー、鶏卵も3割減。県特産の果実や野菜でもリンゴが43%減、ブドウが38%減、アスパラガスが18%減などとなった。

 鈴木教授は「安全・安心な国産の食料が手に入らなくなり、消費者の命の問題につながるという認識が大切だ」と説明。JA長野中央会・各連合会の雨宮勇会長は「想定外の数字だ。再生産可能な所得の確保ができるような制度改革に向けて運動を進めていきたい。国民に国産農産物を利用してもらうアピールも必要だ」と強調した。

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