[新型コロナ] 感染防止で臨時休校 出荷最盛も人足りず

コチョウランの状態を確認するパート従業員(6日、宮崎市で)

 新型コロナウイルスの感染拡大が、農業現場の人手不足に拍車を掛けている。出荷・選別作業を担う従業員の多くが子育て中の親で、国の要請による学校の臨時休校を受け、子どもの世話をするため仕事を休むケースが増えているためだ。雇い主の農家やJAは、限られた労力で出荷時期を乗り切る工夫を迫られている。(木村隼人、丸草慶人)
 

従業員が家庭優先「長期化が不安」 野菜・花産地


 宮崎市のコチョウラン農家・桑畑新一さん(49)は6日、パート従業員50人のうち、8人から仕事を休む連絡を受けた。5分の1の労力を突然失った。ウイルス感染拡大の余波でイベントが減り、需要は鈍いが、1日当たり約130鉢を市場に出す必要がある。

 従業員の8割は小学生の子どもを持つ母親。「仕方がない事情」と理解する桑畑さんは「残ったメンバーでやりくりするしかない。過度な負担が生じないよう注意していく」と神経をとがらせる。

 懸念は従業員の休みが今後一層、増えることだ。市内は2日から一斉休校になった。今は出勤できても、休校が長期化するにつれ、家庭を優先するかもしれない。従業員は出荷以外にコチョウランの形を整える作業も担う。値段に直結する重要な仕事で、技術を身に付けるのに1年かかる。桑畑さんは「働きやすい環境をつくり、子どもがいる母親らを積極的に採用してきた。それが裏目にならないといいが」と危惧する。

 地域では今後、コチョウラン以外にもトマト、ピーマンなどが出荷の最盛期を迎える。JA宮崎中央は「元々の人手不足に拍車が掛かる恐れがある」と指摘する。

 休校の影響は母親だけとは限らない。同県綾町のキュウリ農家の森久保貴さん(40)は選果作業で6人のパート従業員を雇う。全員50歳以上だが、孫の世話など家族の都合を気にする人が増えるとみる。キュウリはこれからが出荷ピーク。森久保さんは「2、3人でも休まれると大きな打撃」と懸念する。

 香川県では、ブロッコリーの選別作業で影響が出ている。箱詰めや選別をする県中部のJA香川県の集荷場では、作業するJAの女性職員(臨時職員含む)9人のうち、子育て中の4人が午前中で帰る状況だ。JA職員総出で対応するが「普段の2、3割出荷作業が遅れている」(同集荷場担当者)という。

 同集荷場は現在、日量約600~700ケース(1ケース6キロ)を出荷。3月中旬からは約1000ケースに増える見込みで、担当者は「家庭を優先してほしい。ただ、影響の終息が見通せず、急に人が集められない状況は苦しい」と頭を抱える。
 

おすすめ記事

新型コロナの新着記事

検索

e農サーチ e農サーチとは