輸出好調4割増 東南アジアなど開拓 米、果実伸びる 福島県産農産物

現地のイオン店舗で行った米の試食PR(マレーシア・クアラルンプールで、福島県提供)

 福島県産農産物の輸出が好調だ。同県によると、2019年度(4月~20年1月)の農産物輸出量は265トンで前年同期を4割上回り、過去最多となった。米が全体をけん引し、桃やリンゴなどの伸びが大きかった。東日本大震災後から輸入規制を続ける国・地域があるものの、東南アジアなど新たに輸出先を開拓し、輸出を伸ばした。

 同県産農産物の輸出量は震災直後の11年度に9割減となり、12年度は2・4トンにまで落ち込んだ。その後、徐々に回復して17年度には震災前の水準を超え、18年度には過去最多を記録。19年度の輸出量は1月末時点で前年度1年分を上回り、過去最多を更新した。

 輸出をけん引するのが全体の半分以上を占める米。18年度は151トンで前年から2割増え、震災直前の10年と比べても4割増えた。19年度は1月末時点で131トンと、前年同期と比べて1%増。

 米の輸出は、マレーシアをターゲットに定めたことで伸びた。震災前の主な輸出先は香港だったが、風評被害や日本産同士の競争も激化しているため切り替えた。マレーシア向けの日本産米の7割が福島産だ。

 日系のスーパーや百貨店、和食料理店の他、地元の小売店にも販路を広げた。

 現地の中高所得者層が購入し、「コシヒカリ」などの食味の良さが評価されている。

 原発事故による影響は「当初は放射性物質への不安感も見られたが、マレーシアでは比較的風評被害を感じない」(県産品振興戦略課)という。

 伸び幅で見ると、桃が7割増の54トン、リンゴは7倍の36トンと大きく伸ばした。果実はタイやマレーシアなど東南アジア向けが好調だ。

 一方、同県産の農産物は震災後9年を経てもなお規制の壁にぶつかる。日本産の最大の輸出先である香港は、同県産の野菜や果実などの輸入を、中国は同県産の全食品の輸入を停止したままだ。JA全農福島は「規制がなくなってもバイヤーが敬遠することがある。風評被害の払拭(ふっしょく)へ、県と連携していく」と話す。


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