[新型コロナ] 牛肉、花き価格下落 脱粉在庫増も懸念 農水省調査 

 農水省は10日、新型コロナウイルスによる農業分野への現時点での影響をまとめ、自民党の農林合同会議に示した。臨時休校による学校給食関連の売り上げ減少は400億円と推計。外食やイベントなどの需要減で、牛肉や花きの価格が低下し、農泊や直売所の売り上げも減っている。給食牛乳用の生乳を加工に振り向ける中、脱脂粉乳の在庫増にも懸念を示した。

 同党は補正予算の編成を視野に、農業分野の追加対策をまとめる方針。塩谷立農林・食料戦略調査会長は「農林分野でも具体的に影響が出ている。団体からも意見を聞き、対応をまとめていきたい」と述べた。

 同省によると、2月の牛肉の枝肉価格はA5で前年同月比8%、A4で同14%下落。焼肉消費量の半分を占める外国人の訪日減、外出の自粛による外食需要減の影響だとした。枝肉価格の低下に伴い、子牛価格も2月は平均で6%下落。香港や台湾でも外出の自粛が広がり、輸出に影響が出る可能性があるとした。

 花きの需要は3月が最盛期だが、卒業式や送別会、イベントの中止・縮小を受けた切り花注文のキャンセルで、市場価格が下落傾向で推移する。果実は百貨店などでの高級品の販売が減少。野菜やきのこ類は、給食用注文のキャンセルが発生していると報告した。

 牛乳・乳製品は、1日当たり生乳1900トンを供給する学校給食用から加工原料乳に振り向けており、需給調整弁となる脱脂粉乳の在庫の積み増しに懸念があるとした。脱脂粉乳の19年度末の在庫量は7・5万トンの見通しで前年より15%多い。

 農泊は、訪日外国人の受け入れ実績のある264地域のうち、156地域が「影響あり」と回答。136地域で4億800万円分の宿泊キャンセルがあったという。中国からの技能実習生の受け入れ見通しが立たない地域が拡大しているとした。

 一方、豚肉や鶏肉、食肉加工品、茶などには現時点で影響がないとした。米は一時的な精米の品薄傾向が解消。原料を輸入している肥料や農薬は当面必要な資材のほぼ全量が確保されており、大きな影響はないという。

 江藤拓農相は、同日の閣議後会見で「和牛などさまざまな物で影響が出ている。引き続き対応していきたい」との認識を示した。
 

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