[新型コロナ] ユリ相場行事自粛が直撃 次作の経費確保不安 家庭需要に期待 高知

需要が低迷し心配そうにユリの生育を見守る西原大智さん(高知県土佐市で)

 新型コロナウイルスの影響で花の需要が冷え込む中、特に単価の高い花が大きな打撃を受けている。卒業式や歓送迎会、イベントの中止が相次いでいるからだ。全国屈指のユリ産地、高知県。「カサブランカ」を栽培する生産者は、次作の経費が確保できるか分からず頭を抱える。家庭消費の需要喚起の取り組みが、広がってほしい──。苦境にある産地は期待をかける。

 80アールのハウスでオリエンタル系ユリを栽培する西原大智さん(32)はJA出荷場で市況を確認し、ため息をつく。「花だけが大変なわけじゃないんだけれども……」。2月26日に政府がスポーツや文化イベントの自粛を要請して以来、前年を下回る相場が続き、頭を抱える。

 西原さんが住む土佐市は県内有数のユリ産地。特にオリエンタル系の「カサブランカ」は3、4月が需要期に当たる。ハウス管理の経費などをこの時期に稼ぐとともに、2~5月に出荷する分の球根の支払いも重なり、特に現金が必要だ。3月は1本当たり150円程度の利益を確保したいところだったが、今年の3月上旬は140~120円にとどまった。

 JA高知県営農販売事業本部によると、花き全体の3、4月の売り上げは、前年は約10億8000万円。年間の4分の1を占める。今年産は、主力のオリエンタル系ユリで10%、グロリオサで27%、ダリアで21%前年を下回った。同本部は「もともと1本当たり単価が高く、ホテル装飾や、生け込みなどの需要が多いため、自粛の影響を大きく受けた」と説明する。

 家庭需要を喚起しようと、小売店や卸売会社、JAグループ、農水省は支援に乗り出した。産地には希望のメッセージだ。JA高知県高石花卉(かき)部会長を務める西原博明さん(60)は「家にいる時間が長くなるときだからこそ、花を楽しんでもらいたい。一本でも多く飾ってほしい」と願う。
 

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