基本計画 コロナ対応追加 地域政策に「田園回帰」

 農水省は19日、食料・農業・農村政策審議会企画部会で、新たな食料・農業・農村基本計画案を示した。新型コロナウイルス感染症への対応策などの記述を新たに追加。農林水産物の需要減や人手不足などの影響を踏まえ、国内外の需要喚起や労働力確保を重視する姿勢を打ち出した。地域政策では「田園回帰」の表記を加え、幅広い層による農村振興を後押しする考えを示した。

 新型コロナを巡り、農林水産業・食品産業は「深刻な需要減少や人手不足などの課題に直面している」と指摘。その上で「状況を速やかに解消し、生産基盤・経営の安定を図ることが重要」とした。

 対応方向として、消費拡大運動による内需喚起、輸出促進などを挙げた。外国人技能実習生の入国が困難になっている状況を受け「入国制限がかけられていない国も含めた労働力確保」にも言及した。JA全中の中家徹会長は、新型コロナへの対応の記述が追加されたことを評価し「農業・農村で幅広い影響が出て深刻な状況。海外に依存するリスクを改めて実感した」と述べた。「一日も早く(基本計画の)成果を上げることが逆境をはねのける力になる」と強調した。

 地域政策では、都市農村交流や農村定住などの動きに対し「田園回帰による人の流れが全国的な広がりを持ちながら継続している」と記述。「半農半X」などを挙げ、関係人口を含め幅広い主体が参画する前提で施策を推進するとした。

 法政大学の図司直也教授は「田園回帰」の表記を評価し、他省庁や自治体と連携を深める「地域政策の総合化」を掲げたことに着目。「事業が細切れになりがちなところを、どうカバーしていくかが肝だ」と見据えた。

 計画の副題は「我が国の食と活力ある農業・農村を次の世代につなぐために」とした。

 計画案は同日の同部会で了承された。今後は同審議会への報告、政府への答申後、月内の閣議決定を予定する。

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