規制会議 米検査抜本見直し要求 慎重な議論 不可欠

 政府の規制改革推進会議が農産物検査制度の抜本的な見直しを求めている。制度を巡っては、農水省主催の検討会で「現行制度の基本は堅持する」方向で見直しを進めてきたが、同会議は現在の制度を否定。「産地・品種・産年」の3点表示を未検査でも認めるなどの規制緩和を求めている。産地や流通業者など、幅広い意見を踏まえた慎重な議論が必要になる。

 米などを扱う農産物検査は、整粒歩合や形質などの基準を基に、等級を格付けする。精米する際の歩留まりの目安になり、米流通の基本となる制度だ。2017年の農業競争力強化支援法を受け、同省は生産者や卸、小売り、消費者などが参加する検討会で見直しをしてきた。

 これまでに、フレキシブルコンテナバッグの推奨規格による米物流の効率化や、検査事務や規格の簡素化をしてきた。昨年3月の中間整理では「現行制度の基本は堅持」とすることを確認している。

 同会議は今年1月から検査制度の見直しに着手。10日の会合では、大塚拓内閣府副大臣が「抜本的にゼロから見直すべきだ」と発言。複数の委員も「制度をゼロベースで考え直すべきだ」などと大幅な見直しを迫った。

 日本農業法人協会や一部の中食・外食業者から聴取した意見を踏まえたもので、検査が必要ない実需者や消費者への直接取引が拡大していることや、実需が仕入れ時に独自検査しているという意見が出ていた。一方、米販売の大部分を占める卸売業者や小売りなどからは意見を聴取していない。

 焦点は、「産地・品種・産年」の3点表示を未検査米にも認めるかどうかだ。現行は、検査による証明がない場合には「国内産」としか表示できない。

 日本農業法人協会は、未検査米でも表示できるよう要請したのに対し、農水省は直接販売に限り「未検査」と併記すれば表示できるか消費者庁と検討していると説明。だが、規制改革推進会議は、直接取引に限らず卸を通じた流通でも対象にするよう求め、「未検査」の表示はマイナス印象を与えるとして、不要とするよう求めた。

 3点表示は、第三者である検査機関が農産物検査で証明している。直接取引だけでなく一般流通の未検査米にも表示を認めれば、消費者の表示への信頼性が揺らぎかねない。

 同省の検討会でも、米卸の委員から「消費者は検査済みか認識できず、米全体の表示や品質への疑問が生じる」との意見が出ていた。こうした意見を踏まえ、慎重な議論が必要になる。

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