民間で「木造」広がる 7階建てビル、コンビニ 建築物に国産材を利用 需要確保へ推進継続 林野庁

 林野庁は、民間建築物への木材利用促進を目指す懇親会「ウッド・チェンジ・ネットワーク」の会員企業の進捗(しんちょく)状況を取りまとめた。国産材を積極的に使う動きが広がり、純木造高層ビルの建築計画も動きだしている。利用期を迎えた国内の人工林の需要確保に向けて、公共建築物だけでなく民間建築物も取り込むため、引き続き働き掛ける方針だ。

 政府は、林業の成長産業化を目指し、2017年に約3000万立方メートルだった国産材の供給・利用量を25年までに4000万立方メートルに伸ばすことを目標に掲げる。都市部の建築物に国産材を積極利用する「木質化」を成長産業化の柱の一つに据えており、木材の需要拡大へ民間も取り込みたい考えだ。そのため19年に同ネットワークを設立した。現在は、31の企業・団体が参加しており、3月中旬に開いた会合で、各企業が進捗を報告した。

 木造建築のシェルター(山形市)は、木質耐火部材を開発。中高層ビルへの利用が可能となったことを受け、21年春、純木造7階建てビルを仙台市のJR仙台駅東口エリアに竣工(しゅんこう)する予定だ。主要構造部には主に東北の杉材を使用する。同社は「製材での高層ビル建設で、新たな木材利用の提案ができる」と展望する。

 住宅建材のナイス(横浜市)は、地域産材を使った建材が流通しやすくなるよう、木材を規格化した。今後、地域の木材販売業者や施工業者を通じ、脱プラ・木質化を提案していく方針だ。

 コンビニエンスストア大手のセブン―イレブン・ジャパン(東京都千代田区)は環境配慮の観点から、木造店舗を複数展開する計画を立てている。実用化に向けて、コストや工期の効率化などを検討する。

 同ネットワークに参加する森林研究・整備機構森林総合研究所の原田寿郎氏は「どれだけ木材を使えば地域に還元できるかという観点が必要」と指摘する。

 同庁は、民間建築物の木造化を加速させるには「さらに施主に働き掛ける必要がある」(木材利用課)とし、同ネットワークを通じて導入実績を増やしたい考えだ。
 

おすすめ記事

農政の新着記事

検索

e農サーチ e農サーチとは