新たな「経営展望」 家族農業 モデル提示 スマート化も想定 農水省

 農水省は、食料・農業・農村基本計画の見直しに伴い、モデルとなる農業経営の姿を示す「経営展望」を刷新する。中小規模経営への支援策をどう打ち出すかが焦点となる中、従来は手薄だった家族経営などの標準的なモデルを示す。技術革新を踏まえたスマート農業の導入モデル、「半農半X」など多様なライフスタイルを考慮した事例も紹介し、経営展望に盛り込む内容を拡充する。

 経営展望は、参考資料として基本計画と同時に示すもの。水田作や畑作など営農類型ごとにモデルを提示し、市町村などが担い手を認定する際の参考にしてもらう。現行の基本計画の決定に合わせて2015年に提示した経営展望は、大規模モデルが多かった。

 今回の基本計画は、「規模にかかわらず支える地域政策について、しっかりとした内容を書き込む」(江藤拓農相)方針だ。経営展望でも、標準的なモデルを重視する。規模拡大などを進める意欲的なモデルは引き続き示すが、同省は「現場の実態に合わせて、家族経営を含む多様な姿を示す」(政策課)と強調する。

 同省は①意欲的な経営②標準的な経営③スマート農業④複合経営──を念頭に、37のモデルを示す考えだ。それぞれ地域や品目、経営形態、規模などを示した上で、粗収益やコスト、所得を試算する。スマート農業や共同利用や作業の外部化などによるコスト削減の効果も織り込む。自動水管理システムやロボットトラクター、ドローン(小型無人飛行機)など、それぞれの経営で導入を想定する機器を写真で紹介し、市販化の時期も示す。

 具体例として、平場の家族農業で水田、ホウレンソウを手掛け、ドローンなどで効率化して1人当たり660万円の所得を得る経営を想定。中山間地域の集落営農法人では、自動水管理システムでコストを減らすなどして、同596万円の所得を確保するモデルも示す。

 一連のモデルとは別に、自給的な農業と他の仕事を両立させる「半農半X」や、6次産業化、都市農村交流などを農地の維持や地域活性化につながる取り組みと位置付け、各地の事例を紹介する。若者らの間で「田園回帰」や二地域居住などの新たなライフスタイルが広がっていることを受け、農村を支える人材を育成・確保する事例として発信する。
 

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