笑顔つなぐ 子ども食堂 活動模索 休校の今こそ 健康も居場所も

弁当を手渡しながら子どもに話し掛ける大橋理事長(左)(大阪府枚方市で)

 新型コロナウイルスの影響で休止せざるを得ない子ども食堂が相次ぐ中、子ども食堂の関係者や農家、飲食店が地域ぐるみで規格外野菜を活用して弁当や食事を提供する取り組みが広がってきた。子どもの居場所を確保し、子どもや家庭に寄り添う活動方法を模索している。(本田恵梨)
 

飲食店で弁当配布 地域ぐるみ農家が食材 大阪府枚方市


 多くの子ども食堂が休止している大阪府枚方市。支援するNPO法人「ひらかた子ども食堂ファンクラブ」は運営者らと話し合い、飲食店で弁当の配布を始めた。地域で一丸となり、子どもの食を支援したいという思いだ。「子ども食堂の使命を考え、休校になった今こそ動くべきだと思った」と、同法人の大橋智洋理事長は強調する。

 インターネット交流サイト(SNS)で、子ども向けに弁当を配布する企画を告知。4日間で、当初予定していた100食分が予約で埋まった。急きょ150食に増やし、不足に備えて店で食べられるカレーも用意した。大橋理事長は「子ども食堂に求められている役割の大きさを改めて実感した」と意義を感じる。

 弁当を受け取った、同市で6歳、10歳、13歳の子どもを育てる40代の主婦は「休校で給食がない中で、非常にありがたい。こうした機会があると安心できる」と、ほっとした様子だ。

 1ヘクタールで年間100品目以上を栽培する同市の農家、上武治己さん(71)は、規格外品のダイコン約30本とサトイモ約50キロを同法人に提供した。「余っていた農産物が役立ったことがうれしい。休校中の子どもを元気づけたい」と話す。

 同市の飲食店も調理や配布で協力する。「炭火やきとり とり心」(枚方店)では歓送迎会のキャンセルが相次ぎ、売り上げが前年の半分ほどまで落ち込んでいた。こうした現状を知った地元の知人らが、店を積極的に訪れて支援するようになったという。同店を運営する「TeAmo(ティアモ)炭火やきとり とり心」の白石和也社長は「地域に助けてもらった分を返したいという思いで協力した」と明かす。

 農家ら地域の人の思いが込もった飲食店での子どもへの食事提供。同法人は4月にも、他の飲食店で子どもに食事を提供する企画を行う予定だ。
 

学童保育を週3回 寄付の野菜お裾分けも 高松市


 高松市の「かねとう子ども食堂」は、複数の農家有志の支援を受け、子ども食堂を臨時の学童保育にして、週3日運営している。これまでは週1回、金曜日の夜に子ども食堂を開いていたが、子どもの居場所確保や健康的な食事を提供しようと始めた。農家らから規格外の野菜など、多くの支援が集まっているという。

 同食堂の金藤友香理代表は「野菜などの寄付がたくさんあってありがたい。ボランティアの人手不足で、寄付された野菜を仕分けするのが大変なほどだ。せっかくなので学童に来られない親にそうした野菜をプレゼントしたら、すごく喜ばれた」と農家に感謝する。親は寄付してくれる農家の気持ちに「ありがたい」と話しているという。

 同食堂の他、5カ所の子ども食堂に規格外の野菜などを提供する香川県さぬき市の農家、松田勝さん(75)は「学校休校で大変な状態の子どもが増えた。もともと子ども食堂に野菜を届けてきたが、さらに増やして農家としてできることをしたい」と意気込む。

 新型コロナウイルスの渦中にどの程度の子ども食堂が運営しているのかは不明だが、休止を余儀なくされる子ども食堂が相次ぐ。「高齢者が運営やボランティアをする施設も多く、感染の危険性を考えるとやむを得ない」(子ども食堂の交流を支援する滋賀県社会福祉協議会)などが主な理由だ。ただ、集まって食事をすることは休止した子ども食堂でも、弁当や食材の配布など活動の継続を模索するところは多いという。

 こども食堂ネットワークの釜池雄高事務局長は「あえて開催するのも、延期・休止するのも、いずれも運営者が悩みながら出した決断。さまざまな方法で、子どもたちやその家庭のための活動を続けている子ども食堂は多くある」と指摘する。
 

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