[新型コロナ] IOC 五輪延期を検討 農業関係者は困惑

 国際オリンピック委員会(IOC)は、新型コロナウイルスによる感染拡大を受け、東京五輪・パラリンピックについて延期を含めて検討すると発表した。来年以降に延期となれば、日本経済全体に痛手となるのは避けられない。産地や市場などの農業関係者からは、困惑や消費減の影響を心配する声が出た。

 延期で影響が出そうなのが、インバウンド(訪日外国人)特需だ。経済損失は3兆円以上との民間試算もある。

 肉用牛の主力産地では、インバウンド消費に期待があっただけに不安の声が上がる。新型コロナ禍や消費税増税で販売環境が厳しい中「五輪需要が見通せなくなれば、さらに打撃になる」(JA宮崎経済連)と懸念する。JA鹿児島県経済連は「延期になれば国内消費が落ち込む他、輸出など国外消費への影響も避けられない」と指摘する。

 東京五輪・パラリンピックで使うビクトリーブーケ。花材の大半を東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島産で充てる。花きによる震災復興をPRし、需要を拡大しようと生産者が活気づく中、延期・中止の情報で、産地は困惑している。

 トルコギキョウの採用が決定している福島県では、五輪開催に合わせて開花するように逆算し、4カ月前に定植、調整してきた。震災を機に花きを基幹産業の一つに据える浪江町は「時期がずれると定植し直す必要がある。延期の場合は早めに日程を決めてもらわないと開催まで栽培が間に合わない」(農林水産課)と懸念する。

 リンドウの採用が決まっている岩手県。JA全農いわては「延期になれば最盛期が過ぎる恐れもある」と困惑。「仏花のイメージが強いリンドウを普段使いで広める最大のチャンスとして、生産者と共に期待している。中止はもっての他だ」(園芸部)と話す。

 卸の大田花きは「世界へ日本の花の魅力を示すには、規模を縮小するより、延期してでも想定通りの規模で開催してほしい」と話す。五輪期間中は道路が一部通行止めになり、産地から荷物を早めに送ってもらうなどの対策が必要になるため、開催時期を注視する。

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