「JA発」加工品 爆発的な大ヒット…グミ、ジンジャーエール、穀物飲料

「山形グミ おきたまデラウェア」(左)と定番の「生姜(しょうが)丸しぼり」㊧の他、県特産の梅の風味がおいしい「梅ひと雫(しずく)」㊥と、かんきつ「じゃばら」の味を生かした「じゃばらしみ透る」㊨(毎年1月に販売し数量限定)の3種類。

「農協の飲めるごはん」を販売する自動販売機(大阪市で)


 JA発の加工品が爆発的なヒット商品となっている。「農家の所得向上につなげたい」「産地を活性化させたい」というJAや地域の思いと創意工夫が実を結び、何より農作物のうま味を生かして人気につながった。和歌山県JAわかやまのジンジャーエールは年間100万本(1本250ミリリットル)を販売、JA山形おきたまのグミは累計160万袋(1袋40グラム)に上る。大阪府のJA北大阪が販売する缶入り穀物飲料「農協の飲めるごはん」も、非常食として人気が急上昇している逸品だ。
 

ジンジャーエール 年間100万本 発汗作用 前面に JAわかやま


 JAわかやまが、和歌山市、商工会と連携し開発した炭酸飲料「Wakayama Ginger Ale(ジンジャーエール)」。販売から10年で、売り上げは年間100万本を超える。

 和歌山県は新ショウガの生産が全国2位の大産地。知名度を上げようとショウガの発汗作用に着目し、健康意識の高い若い女性をターゲットにした。しっかりとした新ショウガの味と爽やかな後味が人気の理由だ。

 農商工連携事業として開発したことから、発売当初からスーパーの売り場を確保。地道なPRが奏功し、地域の味として定着し全国にファンを持つ。現在はカタログ販売を中心に、贈答用が多い。リピーターが多いのも特徴だ。定番の「生姜(しょうが)丸しぼり」の他、県特産の梅の風味がおいしい「梅ひと雫(しずく)」と、かんきつ「じゃばら」の味を生かした「じゃばらしみ透る」(毎年1月に販売し数量限定)の3種類ある。

 希望小売価格は1本171円(税別)。JA購買部農産加工品流通販売課の松本暁伯課長は「ヒットしたことで、孫の代まで農業をやっていけると思える一助になれた。ショウガといえば和歌山というところまで盛り上げていきたい」と意気込む。
 

デラウェアのグミ 累計160万袋 生果と相乗効果


 JA山形おきたま JA山形おきたまが商品化した「山形グミ おきたまデラウェア」は、生産量日本一のブドウ「デラウェア」の果汁で作った、手軽に食べられるグミだ。甘味と酸味のバランスにこだわり、2016年の販売開始から累計160万袋(20年3月末時点)を誇る超ヒット商品だ。

 特産品や土産の定番商品としてだけでなく、全国展開するコンビニでも取り扱われるほどの人気。パッケージは「日本パッケージデザイン大賞2019」菓子部門で入賞し、注目度も高い。

 生食用として取り扱えない「デラウェア」を加工用に使ったことで、ブドウ農家の手取り向上にもつながっている。山形グミのヒットを機に、JAは17年に「山形おきたまデラウェア アルコールフリー」、18年には豆菓子の「おきたまデラまめ」も発売。加工品を通じて置賜地方の農畜産物を積極的にPRし、農家の手取りを最大化していきたい考えだ。

 「山形グミ おきたまデラウェア」の希望小売価格は1袋120円(税別)。JAは「山形おきたまデラウェアシリーズとして確立させ、生食用販売との相乗効果を期待したい」(ブランディング課)と意気込む。
 

「飲む」米で非常食需要 JA北大阪


 災害非常食として人気を集めるのは、JA北大阪が販売する缶入り穀物飲料「農協の飲めるごはん」だ。災害時に水道やガス、電気が止まった状況でも手軽に栄養・水分補給できる利便性に加え、「ご飯を飲む」という感覚が話題になり、18年8月の発売から17万本(1本245グラム)を売り上げる。

 同商品は、JA管内産米「ヒノヒカリ」などを主原料に製造。食品衛生法で定めるアレルギー物質(特定原材料等)の全27品目を含まず、災害時でもアレルギーを持つ人が安心して飲むことができる。JAは「甘酒のような食感で、とろみがあるので嚥下(えんげ)能力が低下した高齢者でも飲みやすい」とPRする。「梅・こんぶ風味」「ココア風味」「シナモン風味」の3種類を展開。個人向け販売に加え、全国の自治体で災害備蓄用に導入が進む。

 希望小売価格は1缶280円。地元のコンビニやスーパーに加え、府内の四つの自動販売機でも購入できる。JAは「地元の米で、農業や防災に貢献したい」と話す。
 

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