中国 新たな害虫 ツマジロクサヨトウ サバクトビバッタ 脅威 防除特化 初の条例

 中国は5月1日から、農作物病虫害の防除に特化した初の条例を施行する。病虫害で毎年1億トン以上が損失を受ける中、ツマジロクサヨトウなど新たな脅威が浮上したからだ。農作物に甚大な被害をもたらすサバクトビバッタが隣国に迫ってきたことも響いた。
 

5月から 侵入想定演習も


 「農作物病虫害防治条例」は、食料安全を保障し、生態環境を保護するのが狙い。防除責任を日本の市町村に当たる行政に明確化し、観測と予報、予防と防除などの仕組みも明記した。

 政府が推奨、支援すべき事項も盛り込んだ。政府が病虫害防除サービスの買い取りなどを進め、病害虫防除の専門組織の体制を強化する。環境に優しい防除技術の利用も促す。

 背景には、病虫害で毎年1億トンの食料が被害を受けている中、ツマジロクサヨトウなど新たな害虫侵入が目立ってきたことがある。食料に甚大な被害をもたらすサバクトビバッタも、隣国のインドやパキスタンまで迫っている。

 中国では2018年12月、南部の雲南省経由でツマジロクサヨトウが侵入。19年10月には、東北3省や西北の青海省、西部の新疆ウイグル自治区を除く、26省区の1538県に拡大。発生面積は100万ヘクタールに上り、16万ヘクタールが深刻な被害を受けた。

 サバクトビバッタについては、専門家らは、ヒマラヤ山脈などが遮って「侵入の確率が低い」と主張するものの、中国は監視態勢を強化している。

 農水省に当たる農業農村部は、税関総署、国家林草局と3月6日、サバクトビバッタの侵入を想定し、監視観測態勢を強化する応急措置案を各地に通達した。国境地域で、徹底的な監視・観測を進め、応急防除率100%を目指す。

 他国との国境を持つ雲南省では、ツマジロクサヨトウの侵入を防げなかった経験を生かし、サバクトビバッタの侵入防止に躍起だ。約2億円を投じ、ミャンマー、ラオス、ベトナムなどと接する25の国境都市に110~120の観測拠点を設ける。

 また同省は3月、サバクトビバッタの侵入を想定した模擬演習もした。侵入の確認作業から、確認された場合の連絡、通報、地上での薬剤噴霧、空中でのドローン(無人小型飛行機)を利用した薬剤散布などを演習した。

 農業農村部は「今年の食料の生産量は、必ず6億5000万トン以上を実現しなければいけない」と強調している。
 

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