リンゴ剪定仮想体験 時期問わず若手訓練 青森県弘前市などVRシステム開発

 リンゴ産地の青森県弘前市と、慶應義塾大学のSFC研究所は共同で、バーチャルリアリティー(仮想現実=VR)を使ったリンゴ剪定(せんてい)システムを開発した。実際の剪定時期以外でも、立体的な映像で剪定を仮想体験できる。若手農家の技術の早期習得につなげる。

 実在するリンゴの木の剪定前後や枝先などの画像を複数年にわたってデータ化し、木の立体的な3Dモデルを仮想空間上に再現した。画像を表示するゴーグルを着け、コントローラーを使って剪定を仮想体験する。複数の農家が参加し、対象の木について議論するなど、実際の剪定研修のような体験もできる。

 リンゴの剪定は収量や品質に影響し、高度な技術が必要だが、1シーズンに1度しか経験できない。若手農家はベテラン農家の実演を見ても動きが早くて理解するのが難しい場合があり、テキストや動画などの平面上では技術の習得に限界があったという。同市は、産地の高齢化が進む中、剪定の技術継承ができずに産地が縮小することに危機感があった。対策として同大学と連携し、剪定システムを開発した。

 実証でVR剪定に参加したリンゴ農家の小山内章さん(65)は「平面写真や図と違い、真下から木を見上げたり、俯瞰(ふかん)して見られたりするのでリアルさが違う。新規就農者に対して成長の規則性の理解を促すにはいい」と評価する。一方、「VRで剪定する木が樹齢20年前後だとしたら、そこに至るまでの経過が分からない。過去の樹形などデータを増やしていくと使いやすくなる」と改善策を指摘する。

 市は今後、現場の意見を聞きながら改善を加え、実用化に向けて検討を進めていく。
 

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