農作業事故 実態知り 備え万全 農研機構が検索システム開発

 農研機構・農業技術革新工学研究センターは、インターネット上で農作業事故の事例を検索できるシステムを開発した。農家や自治体・JAの農作業安全の担当者らが、事故実態を踏まえて作業改善につなげるのが狙い。5月中の稼働を予定する。

 同センターが運営するウェブサイト「農作業安全情報センター」で公開する。事故の状況や原因、対策などを詳細に分析した182件の調査結果を閲覧できる。事故の一歩手前で危険を感じた経験「ヒヤリ・ハット」のチェックリストなど研修資料も公開し、対策意識の向上に期待する。

 事故事例検索システムは、畑作と水田作、畜産、果樹、花きなどの作目ごとに事故事例を分類した。各事例では、事故を起こした人の年代や性別、経営概要、事故の時期、場所、負傷内容をはじめ、救命・治療の結果や原因の分析結果、対策を併せて示す。件数は、公開後も順次増やす予定だ。

 事故防止対策に役立つ事故の原因分析は、詳しく盛り込んだ。原因の種類を①作業者②機械・用具③作業環境④作業者以外の人⑤安全管理体制──の五つに分類。事故後の処置も記した。刈り払い機がキックバックしたため左足を切って粉砕骨折した50代男性の事例では、対策として飛散物防止カバーを付けたことや、回転刃の回転方向に合わせて右から左へ刈ることなどを紹介する。

 他産業は事故実態を基に関係者間の対話を重視し、改善策を検討して作業者の安全意識を高めている。システム公開と同時に、農業法人や生産部会などで活用できる対話型の研修資料も公開する。

 農業現場では農作業安全を指導する人の育成や、作業安全に向けた活動体制の整備が課題だ。同センターは「事故を防ごうと思っても、具体的な原因が分からなければ効果的な対策は打てない。対策意識を高めてほしい」と話している。

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