[新型コロナ] 休校延長で乳業ピンチ 給食専門で苦戦 事業継続へ補償を 静岡県富士宮市富士の国乳業

休校期間の延長で国の手厚い補償を訴える佐野社長(静岡県富士宮市で)

 農業の6次産業化を進めるため、政府が設立した官民ファンドの農林漁業成長産業化支援機構(A―FIVE)が出資し、酪農家らが設立した静岡県富士宮市の学校給食専門乳業会社、富士の国乳業が、新型コロウイルスの緊急事態宣言延長に伴う小中学校の休校延長で苦境に陥っている。同市と富士市の小中学校を含む78校などに牛乳を供給するが、両市が31日まで休校を延長。今年度は年間操業日の20%近い33日を失う見込みとなった。固定費が重くのしかかる事態に、国や市の支援を訴えている。

 富士宮市は同県の生乳生産量の約半分を占めるが、市内に乳業会社がなく、学給用牛乳(学給)は市外から調達していた。地元の牛乳ブランドを提供したいという思いと地域振興のため、2016年、同機構が1500万円、地元の10農家・2法人、JA富士宮、富士開拓農協が出資。総額3000万円で設立した。

 2月27日の安倍晋三首相の要請で、同市は3月2日から休校。製造した牛乳は廃棄せざるを得なかった。工場は止まり、4月も売り上げの大半を占める学給用は9日から作っていない。

 生乳は、関東生乳販売農協連に出荷し、その後の廃棄はないが、会社経営は厳しい。元々、夏休みなどで年間操業日は185日しかない。従業員7人の給与や水道光熱費など固定費に約400万円かかる。

 3月のキャンセル約12日分は、文部科学省が措置した4分の3補助の制度を活用し、両市に申請した。富士宮市は残り4分の1も補償する方向で、富士市も検討する。だが、4月以降の支援策は、国の補正予算が成立した今も内容が明確になっていない。

 社長の佐野将史さん(60)は「学校給食専門なので、事業を継続するためには、4月以降の国の補償が必要だ」と訴える。
 

おすすめ記事

新型コロナの新着記事

検索

e農サーチ e農サーチとは