20年産米から農水省 事前契約の拡大推進 生産者、JA向け 秋に調整余地

 農水省は2020年産から、米の事前契約の拡大に向けて生産者やJAへの働き掛けを強める。需要に応じた米生産を進める上で、早い段階で販路を確保する必要性が高まっている。しかし、作柄や相場が見えない時期での契約に足踏みするケースも多い。同省は、変動幅を設けるなど出来秋に契約数量を調整する余地を残しながら、播種(はしゅ)前など早い段階で事前契約を結ぶよう呼び掛ける。

 19年産米の事前契約は143万トンと、主な集荷業者の集荷量の52%まで高まっているが、契約時期が収穫直前の8月から10月に集中する。また、JA全農と卸間の事前契約は活発だが、JAや生産者段階まで取り組みが広がっていないなどの課題もある。

 同省は、生産者やJA全農、卸、中食・外食業者などによる非公開の研究会を1月から開催した。事前契約の拡大に向けて、国や生産者、JA、卸、実需者それぞれの対応策を3月に取りまとめた。

 取りまとめでは、望ましい事前契約の在り方として、①播種前や複数年での契約②出来秋に調整する方法も含めて数量を決めることが最低限必要──と強調した。

 ただ、価格の在り方は方向性を示さなかった。事前に価格まで決めることが安定取引につながるとの意見もある一方、スーパー向けを中心に「販売競争の中で価格を変える必要があるので事前に決めるのは難しい」という意見もあり、まとまらなかった。

 事前契約拡大に向けた対策として、生産者やJAには、需要を的確に捉えた米の生産と契約の順守が大事だと強調。出荷契約を結んだにもかかわらず生産者が他の業者に乗り換えた場合には、JAが違約金を徴収するなどの対応が求められるとした。

 卸には、産地に実需のニーズを伝達し、豊凶や需要の変動に対する調整機能を発揮することを指摘。実需には、産地の事情を理解して契約栽培を進めることを求めた。

 同省は、生産者やJAへの普及にパンフレットを作成。数量や価格の調整方法や、違約対応の例を盛り込んだ契約書のひな型を示している。ホームページなどで、事前契約の優良事例なども示したい考え。
 

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