テレビドラマ「HERO」は、型破りな検察官が主人公だった

 テレビドラマ「HERO」は、型破りな検察官が主人公だった。キムタクこと木村拓哉さんが演じ、法と正義を貫く姿が痛快だった▼その若き検察官が、法廷で自らの役割を述べる場面がある。「僕たち検事は悪人を絶対に許さないという正義があります」。検事、弁護士、裁判員がそれぞれの立場で「正直で真っすぐな光を当てなければ、真実は見えてこないんです」▼政府の進める検察官の定年延長は、そんな理想を危うくしかねない。検察官は政治的中立を旨とする。法の番人が、政権の番犬になっては三権分立が泣く。安倍政権は、次の検事総長候補で、政権に近いと目される御仁を閣議決定で定年延長したばかり。だが、後付けの正当化が後ろめたかったのか。反対世論にすくみ法案成立は見送りへ▼戦後最大の疑獄事件「造船疑獄」を手掛けた若き日の伊藤栄樹検事総長。後に首相となる佐藤栄作自由党幹事長を収賄容疑で逮捕しようとするが、法相が指揮権を発動し、幻に終わる。その苦い経験が「巨悪は眠らせない」という信念となった。法改正で巨悪を安眠させるなと検察庁OBも立ち上がった▼ネット上の抗議デモもまた「真実への真っすぐな光」を求めてのこと。あすは光あふれ命満ちる「小満」。正義の光があまねく届く国であってほしい。

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