コロナ禍で自治体 マルキン補填や花き農家助成 現場視点の支援多彩に 

 新型コロナウイルス禍で農家や飲食店に大きな影響が及ぶ中、全国各地の自治体が食と農を支える多様な支援策を始めている。農家らへの経済支援、雇用、販路や消費の拡大対策を中心に多岐にわたる。産地の実態に合わせた自治体独自の支援が広がる。
 
 全国47都道府県が休業要請に対する支援策などを講じている。複数の都道府県が農家への無利子貸付制度、肉用牛肥育経営安定交付金制度(牛マルキン)の補填(ほてん)、農畜産物などの販売サイト開設、インターネット販売やテークアウトの支援、学校給食向けの牛肉購入といった経済対策を打ち出している。

 市町村も創意工夫で支援を展開する。中でも和牛や観光イチゴ園、出荷先の休業などで苦境の農家への支援が目立つ。

 佐賀県伊万里市は、肥育農家に出荷した肉牛1頭当たり5000円を支給する。秋田県美郷町は、道の駅に出荷する農家らに売上高が減った分の40%を応援金として支給。千葉県山武市は売上高が半減した観光イチゴ園に10万円を給付する。長崎県佐世保市は、売上高が前年同月比20%以上減少する花きや和牛農家に一律20万円を給付する。

 雇用対策では、青森県弘前市りんご課は休職を余儀なくされた市民やアルバイトができない大学生らを雇用する農家に、上限3000円で日当の半額を助成する「休職者等農業マッチング緊急支援事業」を始めた。キャベツ産地、群馬県嬬恋村も外国人技能実習生が来られなくなった農家で契約期間満了まで働いた人に最大25万円を支給。同村では技能実習生221人が来日できていなかったが、現時点で150人以上をマッチングできた。

 地元農畜産物の消費拡大も進める。山形県飯豊町は町内の精肉店と連携し米沢牛の焼き肉セット7000円分を町民に2500円で販売した。佐賀県唐津市は消費を喚起する「唐津産佐賀牛を買って自宅で食べよう」キャンペーンを実施。JAからつ肥育牛部会に「唐津産佐賀牛販売促進緊急支援補助金」を1500万円交付し、牛肉を値引きして販売する際の原資にしてもらう。

 この他にも、自治体内で使える食事券の支援(愛知県碧南市、鳥取県琴浦町など)、食費応援給付金(千葉県多古町)など食の支援が広がる。神奈川県中井町や滋賀県高島市はJA店舗などで使える地域通貨を給付する。

 販路拡大としてテークアウトやデリバリーなどの支援は北海道旭川市、秋田県大仙市、水戸市、さいたま市など全国各地で取り組む。神戸市はキッチンカーの貸し出しを行う。

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