仕事場、遊び場、酒場

 仕事場、遊び場、酒場。コロナ禍で、当たり前だった「場」がなくなり、改めてその大切さに気付いた▼盛り場も恐る恐る解禁しているが、東京住まいの当方は自粛の身。ちまたではやるオンライン飲み会なるものをやってみた。気心の知れた5、6人で画面越しに乾杯。楽しいが終電を気にせずに済むので、やめ時が難しい。酒量も増える。ただ回線が不安定なのが玉にきず▼オンライン歌会にもチャレンジした。それぞれギターやピアノのなど得意な楽器で、自宅から歌のリレーをした。セッションは音が微妙にずれて難しい。ただ、こちらも住宅事情から大きな音は出せず、もどかしい。やはり生音に限る。リアルな「場」の復活が待ち遠しい▼詩人の長田弘さんが随筆で、情報技術の発達は「なくてはならない場所」を無くしていったと書いている。ただ、行き過ぎた文明の反動か、人々はまた「居場所」を求めているとも。長田さんの「わたし(たち)にとって大切なもの」という詩の一節を引く。〈なくてはならないもの。何でもないもの。なにげないもの。ささやかなもの。なくしたくないもの〉▼コロナ自粛の日々に自問する。何でもない当たり前の日常が、何とかけがえのないものであることかと。私たちは「場」によって生かされている。

おすすめ記事

四季の新着記事

検索

e農サーチ e農サーチとは