[新型コロナ] 買い物代行タクシー奔走 食料、日用品… 薬も受け取りに

買い物代行サービスで高齢者らの暮らしを守るタクシー会社(広島県福山市で)

外出自粛で高齢者の利用多く


 新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛を受け、地方では異業種による買い物代行サービスの取り組みが広がっている。コロナ禍で本業が苦戦しているタクシー会社が参入し、外出を控える消費者に代わり、食料や日用品を購入し、自宅まで届ける。高齢者を中心に利用が多く、“買い物弱者”を生み出さない地域の暮らしを支える手段として注目を集める。
 

地域のため「救援事業」 介護施設からも依頼


 広島県福山市のアサヒタクシーは「お買い物代行サービス」を4月13日に始めた。利用者は電話で買い物内容やスーパーなど指定店舗を伝える。代金は運転手が立て替え、代行料は660円から、店舗から届け先までのメーター料金に準ずる。

 対応するのは、離島を除く市街地から農村部まで含む市内全域。利用者の住む地域は広範囲に及び「会社から12キロ離れた遠方からの利用もあった」と川本直則広報担当。利用は徐々に増えており、今は1日平均30件。介護施設からの食材購入依頼もあるという。

 コロナ禍で、4月の売り上げは前年同月に比べ5割ほど落ち、保有車両230台の半数しか稼働していない状況だ。

 買い物代行料は、通常のタクシー利用料に比べると利益は少ない。それでも、川本担当は「厳しいが、救援事業という形で地域住民のために続ける」と話す。

 市内に住む川本英子さん(71)は1週間に1、2回利用する常連だ。以前は買い物に出掛けていたが、外出を控える今は代行サービスに頼る。

 買い物は、自宅から2キロ離れたスーパーで食材の購入を依頼し、「料金は高いと思わない。感染リスクを考えると、買い物して届けてもらえるから、本当にありがたい」と話す。
 
 高齢化が進み、人口の約4割を65歳以上が占める山形県白鷹町。同町の朝日観光タクシーは買い物代行を15年前に始めたが、これまでの利用者はほぼいなかった。だが新型コロナの影響で高齢者の利用が相次ぎ、5月1日から12日までに5人が利用した。

 同社は高齢者支援の需要を感じ、病院から薬を受け取る代行サービスも始動。「慢性疾患で定期的に薬を受け取る必要がある」といった悩みを反映させ、国土交通省に許可を取り、1日から始めた。

 利用者は電話で病院を指定し、病院にも連絡を入れる。料金は1キロ以内830円で、1キロ延びるごとに450円加算。薬を受け取った後、電話か、オンラインで薬剤師に服用の指導を受ける。

 高橋政浩取締役総務部長は「高齢者は重症化のリスクが高いため、なるべく外出の機会を減らしたい」と説明する。
 

飲食店と連携 企業に昼食 配送料を負担 北海道室蘭市

 
 北海道室蘭市は14日から、タクシー会社が市内の飲食店から企業に弁当を配達する際の配送料を全額負担するサービスを始めた。コロナ禍で打撃を受けたタクシーや飲食業界双方の経営を支援する。

 新たなサービスは「RanEats(ランイーツ)」。昼食時に注文金額が1万円以上か10食以上の注文が対象だ。市はタクシー会社に、1回の依頼で飲食店を1店舗だけ経由する場合は2500円、2店舗を経由する場合は5000円を、距離や時間に関係なく一律で負担する。市内を端から端まで走っても3000円程度で赤字になることはなく、メーターを回さない「救援事業等」として実施する。

 同市は参加する飲食店を公募、リスト化しホームページに掲載する。注文する企業は飲食店とメニューを決め、指定の市内タクシー事業者(現在は5者)へ2日前までに注文内容や配達日時などをファクスで連絡する。タクシー事業者が飲食店で弁当の代金を立て替えるなどし、配達時に料金を回収する仕組みだ。リストには26店が掲載されており、今後増やしていく。

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