[新型コロナ] 都会の学生へ 特産品支援 全国で 古里見直す契機に 相次ぐ感謝

 新型コロナウイルスの影響で帰省を自粛する、地域外に住む学生に地元米を送る農山村の支援が全国に広がっている。「離れていても応援している」「共に苦境を乗り越えよう」というメッセージとなじみのある特産品や農畜産物を発送。新潟県燕市発の心のこもった応援が大きな反響となり、学生が古里や地域農業を見直すきっかけにつながっている。

 同市は4月10日に、帰省できない学生らに地元の米やキュウリ、みそなどの発送受け付けを始めた。支援を考案したのは地元有志ら。インターネット交流サイト(SNS)で話題となり、全国的なニュースとなった。

 同市発の支援は多数の農山村に波及している。茨城県では神栖市、茨城町、笠間市などが、県外に住む学生らを勇気づけようと米「コシヒカリ」などを届ける。常陸太田市は米やニンジン、タマネギなど地元の食を詰め込んだ応援物資を学生に送り、市には感謝のメールが届いている。

 新潟県では、燕市以外にも支援が広がる。村上市は「あなたにまごころ届け隊」として、米の食味ランキングで「特A」に復活した地元産「コシヒカリ」と、村上牛など特産品50品目の中から選んだ1品などを届ける。市には「(帰省できなくても)古里を感じられる」など300件近い感謝の声が届く。柏崎市でも菓子を送り始めた。

 三重県では松阪市、志摩市などが「コシヒカリ」などの地元の農作物や加工品を地域外の学生らに発送。松阪市は「古里の香りを感じていただき、元気をつけてほしい」などのメッセージも同封した。

 長野県は高森町、佐久市、伊那市、大町市といった多数の自治体が取り組む。飯島町は、町民の考案で、農家複数人が米5キロを寄付し、精米や荷造りは町内の農業法人「田切農産」が無償で協力する。地元の人が作ったわら細工のストラップやメッセージなども同封し、町が送料を負担。地域ぐるみの応援物資を発送中だ。南牧村は県外に転出した新社会人にも送る。

 鳥獣害対策に力を入れる島根県美郷町は、米やイノシシ肉のキーマカレーを県外の学生に届ける。熊本県南小国町も町出身の学生に米や野菜、ヨーグルト、漬物などに家族からのメッセージを添えて送る。この他、山形県米沢市や岡山県津山市、香川県三豊市、鹿児島県出水市、富山県など全国に支援の輪が広がる。

 発端となった燕市の鈴木力市長は「心細い学生に『帰るな』と言うのはつらい。『会えなくてもどんな時も応援している』と伝えようと始まった市民発の支援が、全国のモデルになった。国難だからこそ都市と農村の共生を見据え、関係を深めたい」と強調する。

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