[新型コロナ] 夏の甲子園中止で農高関係者 頭真っ白、やり切れず

選抜大会を前に阪神甲子園球場を笑顔で見学した帯農ナインだが、中止が決まり春に続き夏の甲子園への道が断たれた(2月16日、兵庫県西宮市で)

 第102回全国高校野球選手権大会(夏の甲子園)が新型コロナウイルスの影響で中止となった。選抜高校野球大会に続き夢の舞台を失った農業系球児や、選手たちを陰で支えてきた農業関係者に戸惑いや落胆の声が広がった。

 「まだ子どもたちに何と声を掛けてよいか分からない」とやり切れない思いを吐露したのは、北海道芽室町で小麦やナガイモなどを栽培する畑作農家の村中祐也さん(41)。先の選抜大会に21世紀枠で出場が決まっていた帯広農業高校野球部2年の滉貴さん(16)の父親だ。来年の選抜に向けた秋の公式戦が開かれるか否かの不安も述べつつ「新しい代の部員たちは、3年生の分も頑張ってほしい」と話した。

 同校は、選抜の中止が決まってから約1カ月後の4月8日に全体練習を再開したが、同18日から再び休校となり、全体で集まれない状況が続いた。選手たちは6月27日から始まる地方大会に向け、各自で自主練を続けていたが一転、春に続き甲子園への道が断たれる結果となった。

 同校野球部OBで、2017年に主将を務めた幕別町の酪農家、齊藤蓮さん(20)は「とてもかわいそうというのが率直な感想。中止になったが、これまでやってきたことは必ず残る」と後輩たちを励ました。

 「頭が真っ白。(夏の)甲子園はやると信じていたのに……」。南部高校(和歌山県みなべ町)野球部で唯一、農業系学科「食と農園科」で学ぶ2年の堺建人選手(16)は肩を落とす。

 過去6度の甲子園出場を果たしている同校は昨夏、甲子園出場を懸けた地方大会の準決勝まで勝ち進み涙をのんだだけに今年に懸ける思いは強かった。「無観客でいいから試合がしたい」と代替試合開催を熱望する。

 第100回大会で金足農業高校(秋田市)の準優勝に貢献し、現在は東京農業大学(北海道網走市)で野球と学業を両立する高橋佑輔さん(19)は「3回しかチャンスがない夏の甲子園に挑んだ選手は相当な覚悟だと思う。中止になったがここで培ったことは無駄にならない。人生はこれから。次の舞台で悔しさをぶつけてほしい」とエールを送る。

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