20年産米価 大規模ほど「厳しく」 転作割合「変えず」65% 人手不足に懸念 集落営農 本紙調査

 集落営農法人・組織を対象とした日本農業新聞の景況感調査で、大規模経営ほど2020年産の米価を厳しく見通していることが分かった。需給の緩みが基幹作物の米の価格下落につながる警戒感があり、60ヘクタール以上の大規模は中小規模に比べ農業再生協議会などから示された目安に沿って作付けする傾向がうかがえた。組織運営の課題では高齢化や労働力不足など生産基盤の弱まりを指摘する声が多く、対策の充実が求められている。

 20年産米の需給見通しを尋ねると、「19年産と変わらない」が35%で、今回も最多だった。しかし「緩む」(33%)は前年から17ポイント増となり「締まる」(24%)と順位が逆転。新型コロナウイルス禍で外食など業務筋の需要低下を懸念材料とする意見があった。

 価格も「下がる」(31%)が「上がる」(16%)を大きく上回った。需給は経営規模別で目立った傾向は見られなかったが、価格は大規模で見方が厳しく、80ヘクタール以上の経営体では4割以上が「下がる」と回答。「19年産と同水準」(49%)が最も多かった。

 農業再生協議会などから示された20年産の主食用米生産目安の活用は「目安通りに作付けする」が63%とわずかに上昇した半面、「自らの経営判断で作付けする」も33%あった。米政策転換3年目となる中、需要に応じた米生産の受け止めは経営体で温度差がある。「目安通り」は60ヘクタール以上の大規模で回答が多く、米価下落を不安視する傾向から、全体需給への意識が高い。「自ら判断」は60ヘクタール未満で多く、米の需給均衡には中小規模の動向が鍵となりそうだ。

 20年産の水田経営計画は「転作割合は19年産と同じ」が65%。「転作を増やす」(22%)は「主食用米を増やす」(14%)を上回る。米の需給安定には、主食用米の生産を9万~18万トン減らす必要があるが、主食用米を適正量に抑えられるかは不透明だ。

 組織運営の課題を複数回答で尋ねたところ、前年に続き「メンバーの高齢化」(63%)が最多で、「労働力不足」(51%)が続くなど、生産基盤を維持する上で最も重要な人手を懸念する声が多かった。「販売額の伸び悩み」(41%)も3番目に多かった。自由記述では「農地集積が予想以上に多くなる半面、作業や管理が追い付かず、収量が低下して減収につながっている」などの意見があった。

 課題への対策(複数回答)は、前年2位の「新規の雇用」(53%)が最多。「機械の増設」「近隣組織との作業の連携や機械の融通」が共に39%で続く。限られた労力の中で、生産基盤の維持に向け、効率化を探り、懸命に対応している傾向がうかがえる。

 調査は4月下旬~5月上旬に集落営農法人・組織に郵送調査し、51の回答があった。

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