JAのSDG方針 新事業や広報に生かせ

 JAグループの持続可能な開発目標(SDGs)取り組み方針が決まった。JAは食と農を基軸としていることからも、協同組合であることからも、SDGsの目標達成に大きく貢献できる組織だ。新事業に結び付けたり、広報に生かしたりと、より積極的に関わっていきたい。

 SDGsは「誰一人取り残さないための持続可能な社会」をつくるための国際目標で、2015年に国連で採択された。

 17の目標のうち、持続可能な農業推進を含む「飢餓をゼロに」や、持続可能な消費と生産を目指す「つくる責任つかう責任」は農業に直接関係する。またJAは総合事業を展開しているため、「すべての人に健康と福祉を」「働きがいも経済成長も」など全ての目標達成に貢献できる可能性がある。ただ、これまでSDGsへの関与が進んでいるとはいえなかった。

 政府は昨年12月に改定したSDGs実施指針で協同組合の役割に関する記述を充実。今年3月に閣議決定した食料・農業・農村基本計画でも、持続可能な取り組みを後押しする施策を展開するとした。協同組合では生協が先行し、日本生協連は18年6月にコープSDGs行動宣言を採択。環境目標検討委員会では、二酸化炭素の排出量削減の数値目標も提起している。

 JAグループの方針では、SDGsの達成に向けて事業・活動に取り組むことを宣言。意義や具体的内容を示している。食料・農業分野では、食料安全保障の確立に貢献するため、担い手の確保・育成と農地の保全・活用に努めることなどを挙げた。JAは既に、食料生産と安定供給を通じて国民を支え、農業の多面的機能を維持し、また地域の暮らしを守るなどSDGsの達成に貢献している。どんな貢献をしているか、各JAで整理することが大切だ。

 農業の環境負荷を減らす取り組みもポイントとなる。農業は水田の貯水機能や災害防止機能、環境保全機能を果たす一方で、生産を通じて環境に負荷も与えている。肥料・農薬を適正に使うことはもちろん、その使用量を減らす環境保全型農業を一層進めることが欠かせない。

 JAグループにとってSDGsはチャンスでもある。総合事業を手掛けるJAは、さまざまな事業・活動をSDGsと関連付けられるからだ。取り組み方針では、達成への貢献を通じて新たな事業機会に結び付ける視点も必要と強調。消費者や取引先との関係づくりや長期的な関係強化に生かすことを提起。JA事業でSDGsの達成に貢献できる分野を洗い出し付加価値を付けたり、貢献にこだわったサービスや商品を開発したりするなど工夫が考えられる。

 SDGsの認知度は向上しており、達成への貢献はJAグループへの理解醸成にもつながる。広報的な価値は高い。JA全中が今後策定する手引を参照し、JAは効果的な情報発信の方法を検討・実践したい。
 

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