牛白血病媒介サシバエに 天敵の蜂 国内にも 九州大学が初確認

国内で初めて発見されたサシバエの天敵寄生蜂(九州大学提供)

 牛白血病などのまん延要因の一つである吸血昆虫・サシバエの天敵寄生蜂の一種を、九州大学が国内で初めて確認した。家畜ふん尿や堆肥の中に潜り込み、サシバエのさなぎを見つけて寄生する。国内のサシバエ対策は、薬剤や防虫ネットなどの活用が中心となっており、天敵寄生蜂を使った新たな防除方法の確立に期待が掛かる。

 発見されたのは、コガネコバチ科の「Spalangia cameroni(スパランギア・キャメローニ)」と呼ばれる寄生蜂。海外では広く生息し、欧州連合(EU)などでは、家畜のサシバエ対策として製品化されている。

 九州大学大学院の松尾和典助教らが、福岡県内の2戸の酪農家の敷地で初確認。「キャメロンコガネコバチ」と和名を名付けた。2018、19の2年間、家畜ふん尿や堆肥から寄生蜂が卵を産み付けたとみられるサシバエのさなぎを探し、約2000個を羽化させ、見つけた。

 現在の国内のサシバエ対策は、幼虫への脱皮阻害剤や成虫への殺虫剤散布、防虫ネットの展張、捕虫資材の活用など化学的・物理的な防除が中心だ。同大は、こうした防除方法に比べ、寄生蜂の利用は作業負担が少なく、畜舎の規模を問わず対策しやすいのが特徴とみる。

 今後は全国各地でこの種の寄生蜂を探し、地域的な特徴を解析。土着天敵としての活用を促したい考えだ。松尾助教は「地域の寄生蜂の力を最大限に引き出し、サシバエの防除に役立てたい」と意気込む。

 牛白血病は牛の監視伝染病で発生が最も多く、19年は4113頭。1998年に発生報告が義務付けされて以降、増加し続け、10年間で約3倍に増えた。ウイルス性で、牛にはサシバエなどを通じて伝染。有効な治療法やワクチンはない。

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