FAOが検索サイト開発 世界の食情報データで比較

約230カ国・地域の農業と食の情報が検索できるフードシステム・ダッシュボードのトップページ

 国連食糧農業機関(FAO)は、世界約230カ国・地域の食料関連情報を網羅したインターネット上の検索プログラム「フードシステム・ダッシュボード」(FSD)を開発した。地域・国ごとの流通や食環境、生産状況、政策傾向の情報を提供。現地のスーパーの店舗数や小売価格、食料支出の割合なども調べられ、国産農産物の輸出対策を練るときの情報としても役立ちそうだ。
 

輸出対策に活用


 FSDはプログラムの本体となる検索システムで、まず大きく「比較と分析」「各国のプロフィル」「食料システム」の「入り口」がある。

 「比較と分析」をさらに細分化し「食品サプライチェーン」、「食環境」、各国の経済状況などを示す「個々の要因」、「消費者行動」、「食事と栄養」、食品システムを形成する気候変動や都市化状況などの「原動力」の6項目に分かれている。

 「食品サプライチェーン」には、農産物の生産から加工までのさまざまな情報が掲載されている。作物ごとの収量や肥料の投入量、平均作付面積に加え、電気を利用できる農村人口の割合、収穫ロス、加工状況──といった具合だ。

 「食環境」では1人当たりの青果物や食肉、乳製品の一日の摂取量、人口10万人当たりの食料品店やスーパーマーケットの店舗数も調べられる。例えば日本の2018年における人口10万人当たりのスーパーの数は13・7店。この数量を調べると「全東アジアは10・48店」「全世界は5・44店」が横に並び、簡単に海外と比較ができる。

 また、降水量や農業における温室効果ガス排出量などの環境指標、穀物輸入依存量、ジェンダー不平等指数などの社会課題も提示している。
 

健康面の分析も


 システムは無料で使える。対象国を決めて生産物を輸出したいと考える農家は、対象国で競合する農産物の収量から包装・小売価格、消費者の食事の習慣などを調べ、販路の可能性を探ることも可能だ。

 さらに、健康問題や保健政策の立案のためには国別の青果物、穀物の摂取量と高血圧を持つ人口率などを照合し、欠けている必要な栄養素とその量の調査もできる。

 FSDは、米ジョンズ・ホプキンス大学などの研究機関と共同で作成。FAOの既存のデータベースや世界銀行、国連児童基金(ユニセフ)などのデータも引用し、日本や中国、米国を含む約230カ国・地域の項目170以上の調査が可能だ。国や地域によっては1958~2018年の状況を調べられる。

 FAOは「国連が2030年までの達成目標として掲げる持続可能な開発目標(SDGs)に到達するには、世界の食と農業の状況を情報として共有・理解することが欠かせない」と強調している。
 

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