[未来人材] 37歳。モミジで多様な商品 国内外に販路 “世界一の町”へ意欲 岐阜県多治見市 本間篤史さん

モミジを使った商品づくりを進める本間さん(岐阜県多治見市で)

 岐阜県多治見市のもみじかえで研究所の代表を務める本間篤史さん(37)は、モミジとカエデの葉の色合いや形、機能性に商機を見いだし、茶やスイーツなどユニークな商品を開発して国内外に販路を開拓した。原料調達のため、耕作放棄地5ヘクタールを開墾し苗木を定植。農地と景観をよみがえらせた。市を“世界一のモミジの町”にしようと奮闘している。

 大学院時代、糖尿病に効果のある成分を探索していた時に、たまたま研究室の近くにあったモミジを分析し、機能性の高さに驚いた。モミジの魅力に取りつかれて独学で知識を蓄えた。就職後も、いつかはモミジで起業したいと考えていた。

 地元に近かった同市の起業支援センターに入所し、農地を探した。すぐに快諾してくれたのが、集落営農組織の廿原ええのおだった。本間さんは「モミジを植える畑が欲しい、と言う変な若者の話でも熱心に聞いてくれた」と振り返る。同法人は山際にある日陰地の活用策に悩んでおり、モミジはそんな条件不利地でも栽培できる。法人にとっても良い提案だった。

 2011年に会社を設立。商品化第1弾は、モミジの葉のティーバッグ「もみじ茶」で、入れた茶の鮮やかな赤色が特徴だ。県ブランド茶「白川茶」の深蒸し製法を取り入れ、味も追求した。モミジの葉を茶に浮かべて、「紅葉狩り」を楽しんでもらう新しいスタイルも提案する。日本らしい商品として、国内だけでなく欧州やカナダなど海外からも引き合いがあるという。

 その後もサイダーやシャーベットなどを開発。栽培面積は少しずつ増やして現在は5ヘクタール、約4000本を定植した。社員1人とパート従業員5人を雇用し、経営も軌道に乗ってきた。県版の農業生産工程管理(GAP)認証も取得し、さらに販路拡大を狙う。

 地元企業や自治会でつくる活性化協議会の事務局を務めるなど、地域との信頼関係もできてきた。本間さんは「若者に優しく、すんなり受け入れてもらえた。その恩返しとして、多治見を世界一のモミジの町にしてさらに人を呼び込みたい」と意気込む。地域の豊かな自然を生かして、モミジで彩る散策路を整備しようと計画中という。
 

農のひととき


 「仕事がライフワークになっている」と話すが、休日はゆっくり家族と過ごす。娘2人には草木や虫などに触れ、自然と親しんでほしいという。実家は職場にも近い愛知県小牧市。機を見てすぐに帰省でき、家族との時間を楽しむ。
 

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