レジ袋有料化 「脱プラ」社会へ一歩を

 小売店などで使うプラスチック製レジ袋の無料配布が7月から全国一斉に禁止され、有料配布が義務付けられる。買い物袋の持参を消費者に促し、「プラごみ」の減量を進める狙いだ。農産物直売所や直売農家、農産加工組織も対象。環境負荷を減らす一歩として取り組もう。

 石油から作る合成樹脂製のレジ袋は紙袋に代わるものとして登場し、1970年代から本格的に使われだした。丈夫で軽く、安価という特徴から生活に浸透。半面、分解しにくい性質がごみ問題を生み、使い捨て文化の象徴的存在にもなった。

 有料化は、海洋ごみや地球温暖化防止対策の一環で行う。特に海洋のプラごみは、ドイツ・エルマウで2015年に開かれた先進7カ国首脳会議で焦点化。プラごみが流れ込んで海を汚染する地球規模の課題として問題提起された。劣化した粒子(マイクロプラスチック)を食べた魚や鳥の体に化学物質が蓄積、人体にも入って健康に影響を及ぼすと心配されている。

 日本は排出量が年間約900万トンにも上るプラごみ大国で、海洋流出量は推定2万~6万トンに上る。対処するため政府は、19年5月に「プラスチック資源循環戦略」を策定。目標の一つに、使い捨てのプラスチックを30年までに累積で25%排出抑制することを掲げ、レジ袋は有料化を打ち出した。レジ袋の規制は世界的な流れで、東京五輪・パラリンピック開幕前に実施し、環境配慮の姿勢を示したいと7月スタートを選んだ。

 罰則付きで導入する。規制対象は、持ち手の付いたプラスチック製買い物袋。繰り返し使える厚い素材や有機物由来のバイオマス素材などは除く。対象者は全ての小売店で、本業でなくても一部で小売りをしていれば対象だ。消費者がレジ袋を辞退した場合、ポイント付与や現金値引きするのは、有料化にならない。1枚1円以上にする必要があり、先行するスーパーなどでは2~5円の設定が目立つ。

 レジ袋の有料化は過去にも検討し、見送られきた経緯がある。「消費者が無料を求めている」「プラごみに占めるレジ袋の割合は2%ほど。海洋ごみや温暖化の解決には遠い」「持ち運びや自宅でのごみ袋に重宝」といった意見は今なおある。

 だが、大量生産、大量消費、大量廃棄を続けた20世紀の社会・経済スタイルが、資源・エネルギーの浪費・枯渇を招き、廃棄物処理や地球温暖化など、深刻な問題を生み出してきたことに鈍感であってはいけない。

 問われているのは小売りの在り方だけでなく、私たちの生活様式であり、求められるのは意識と行動の改革だ。21世紀は環境の世紀と言われる。低炭素社会、資源循環型で持続可能な社会に向けレジ袋有料化を、私たちの暮らしを見直す契機にしたい。1枚のレジ袋を使う前に自らに問い掛けよう。「その行動は地球に優しいか」「その行動は次世代が喜ぶことか」と。
 

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