[宮城・JA新みやぎ移動編集局] 「萌えみのり」で所得向上 業務米拡大 規模生かし需要対応

田植えが終わった「萌えみのり」の水田で、栽培管理を確認する石川さん(右)とJA職員(宮城県栗原市で)

 全国最大級の米販売高を誇る宮城県のJA新みやぎは、旧JA単位の各地区本部の販路やブランド力を広域的に活用し、質、量ともにトップクラスの産地を目指している。主力の「ひとめぼれ」で販売量の多さを交渉に生かす他、多収性品種「萌えみのり」の生産を増やし、需要が旺盛な業務用にも対応する。旧JA単位それぞれの特徴のある米の品ぞろえを合併で集約し、多様化する消費ニーズに応える米産地に取り組んでいる。(高内杏奈)
 

増収へ独自肥料 契約販売を強化


 同JAは昨年7月、県内のみどりの、栗っこ、南三陸、あさひな、いわでやまが合併して誕生した。2018年度の販売高は169億円(非主食用含む)に増加。米穀販売事業は合併事業計画に基づき、マーケットインを意識した産地づくりに取り組む。「ひとめぼれ」を家庭用向けに強化する他、付加価値のある環境プレミアム米などはブランド力を高めている。

 特に力を入れているのが、業務用の「萌えみのり」の生産拡大だ。多収穫米生産部会の発足や、独自肥料開発で収量を上げる他、契約販売で農家所得の安定を目指している。JAの「萌えみのり」の作付面積は1180ヘクタールで、このうち栗っこ地区本部の面積は973ヘクタール。背丈が低く倒伏しにくく、良食味で中食・外食用として引き合いが強い。

 同地区本部は10年前から大手米卸、ヤマタネとタッグを組んで契約販売を進める。同地区本部米穀生産支援課は「卸、生産者、JAが連携して進めてきた。面積当たりの手取りを考えると多収米は経営に有利」という。収量のばらつきの解消に向け、16年に多収穫米生産部会を発足。肥料メーカーと協力し、従来の2倍の窒素成分を含む肥料を独自開発し、10アール当たり600キロ前後取れるようになった。

 生産者も増え、作付け初年度の10年は13人で20ヘクタールだったのが、20年は412人で973ヘクタールに拡大。21年産は1200ヘクタールを目指す。近年は管理の徹底で10アール収量が720キロの生産者もいる。宮城県栗原市の石川和彦部会長は「農家所得を上げるには1俵(60キロ)の価格よりも10アール当たりの増収が大切」と話す。

 同地区本部は、高齢化による生産者の減少が課題だ。生産者は19年と比べて25人減少した一方、面積は約40ヘクタール増えた。1人当たりの面積増に対応するため、水田に農業IoT(モノのインターネット)を設置し、環境データを収集している。即時の管理対応が可能で、今後はスマート農業を活用した効率的な稲作を目指す。

 JAは、合併で集荷量が増えたメリットを最大限に生かし、市場での存在感を高めていく。JA営農部は「米の販売高を上げる他、契約販売を強化していく」と安定収量と効率化の実現で、農家所得の向上につなげる。
 

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