[宮城・JA新みやぎ移動編集局] 購買併設 金融移動車が好評 高齢者の憩いの場に 運行地域広げ地域密着

買い物客から商品を受け取る高橋さん(右)(宮城県大崎市鳴子温泉で)

 宮城県のJA新みやぎいわでやま地区本部は、全国でも珍しい購買店舗併設型の金融移動店舗車を運行し、組合員から好評だ。食料品の買い物や預金などができ、山間部に住む組合員の生活インフラにとどまらず、住民同士が交流する憩いの場になっている。1月からは、隣のJA栗っこ地区本部管内の栗原市花山地区でも運行を開始した。JA合併を機に地区をまたいで運行エリアを広げ、組合員サービスの維持・向上につなげている。

 いわでやま地区本部は現在、2地区6カ所に週1回運行している。山間部の支店金融窓口の廃止に伴う対策として2017年に導入した。JAバンクによると、購買店舗併設型の金融移動店舗車は全国に17台あり、東北はこの1台だけだ。

 移動店舗車は3トン車を改造したものだ。車内には、1人の応対が可能な金融窓口と野菜や菓子など、計200品目を取りそろえる。冷蔵・冷凍品も扱う。品目数を増やすために、1品目1点ほどしか積まない。事前に予約があれば、米も販売する。

 移動店舗車は、高齢の組合員に人気だ。購買担当兼ドライバーを務める、同地区本部総務企画課の高橋敏さん(69)は「多くの客は買い物だけではなく、世間話をしている」と、地域コミュニティーの場として活用されていることを実感している。約1時間半の停車時間中、JA職員や他の利用者と話し続ける人もいるという。

 「足が痛い」と苦笑いしながら片道15分かけて移動店舗車に来た、大崎市鳴子温泉の横谷かつ子さん(81)は、毎週買い物に来る常連だ。自宅周辺にスーパーなどはない。他の宅配サービスも利用していたが、実物を見られることや冷凍品、新鮮な野菜が買えることから、重宝しているという。

 横谷さんは「ここで話すのは、いい機会。移動店舗車があって良かった」と笑顔だ。

 同じく買い物客の鹿野いし子さん(86)も「言えばおいしい米を持ってきてくれるから便利」と話す。

 移動店舗車の立ち上げに携わった、同地区本部の奥山幸一副本部長は「事業開始当初は金融の利用者が多かったが、最近は買い物客も増えてきた。利益を追求する事業ではないが、JAだからこそできる事業」と存在意義を強調。一人暮らしを中心に高齢者の心身を支える事業として役割を発揮している。
 

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